こんにちは。DJI買取専門の宅配買取店「ドローンストック」を運営しております、株式会社ヴィンテージストック代表の草間です。
はじめにはっきりお伝えしておきます。当店ドローンストックはDJI製品の宅配買取専門店で、中古ドローンの販売は行っておりません。この記事は、当店が2016年から300台以上のDJI機を査定してきたなかで「毎回必ず確認しているポイント」を、これから中古機を買おうとしている方の側に置き換えて共有するものです。売る側の目線を裏返すと、買う側が事前に見るべき箇所がはっきり見えてきます。
結論:中古ドローンで失敗する原因の大半は「本体のキズ」ではなく、書類と履歴の3点です。
そして最大の注意点は、墜落・水没歴のある機体は、動かなくなっても当店を含む買取店では引き取れない=出口がないということです。
査定の現場で買取価格を大きく左右するのは、実は外観のキズではありません。動作の正常性、累計飛行時間、バッテリーの状態、付属品の欠品、そして登録まわりの書類状況——こうした「見えない情報」のほうがはるかに効きます。査定基準そのものの考え方は買取相場はどう決まる?で解説していますが、本記事ではその基準を「中古で買うときのチェックリスト」に転用します。
| # | 確認項目 | 確認できないときの結論 |
|---|---|---|
| 1 | DIPS機体登録の状態(抹消済みか/移転可能か) | 見送り。買っても飛ばせない可能性がある |
| 2 | 技適マーク・型式名 | 見送り。国内で電源を入れない判断が無難 |
| 3 | シリアルナンバー(機体・箱・登録情報の一致) | 年式と使用歴が検証できない。慎重に |
| 4 | DJIアカウントの紐付け解除 | 受け取り後に自分で紐付けできるか要確認 |
| 5 | バッテリーのサイクル数と膨張の有無 | バッテリー買い直し前提で予算を組む |
| 6 | ジンバルのガタつき・モーター異音 | 通電確認できない取引は避ける |
| 7 | 付属品(送信機・充電器・ケーブル・元箱) | 不足分の実費を購入価格に上乗せして考える |
| 8 | 墜落・水没歴 | 購入しない。動かなくなった時点で出口がない |
| 9 | 出品者と取引後も連絡が取れるか | DIPSの移転手続きで詰む可能性が高い |
無人航空機の機体登録義務の対象は重量100g以上の機体で、制度は2022年6月20日に施行されました。DJI Mini シリーズのような約249gの機体も当然に対象です。「小さいから不要」という思い込みが、中古購入時の最初のつまずきになります(2026年9月時点。最新は国土交通省の案内をご確認ください)。
ここが本記事で最も重要な部分です。DIPS登録システムの案内では、中古機を取得した場合について、前所有者が登録を抹消していれば新規登録が必要であり、抹消されていない場合は「前の所有者に所有者移転の手続をとっていただくか、登録の抹消手続をとっていただくよう依頼してください」という趣旨の説明がなされています。
つまり、登録手続きは買った側だけでは完結しません。機体が手元に届いても、前オーナーが何も対応してくれなければ、あなたの名義で登録できず、結果として合法に飛ばすことができない状態が続きます。中古取引で「本体さえ届けば終わり」と考えるのが一番危険な理由がこれです。
所有者移転の実務も、前オーナーの協力が前提です。案内では、まず登録されている所有者が移転用パスワードの発行手続きを行い、それを新しい所有者に連絡したうえで、新所有者が手続きを行う流れとされています。裏を返せば、取引後に連絡が取れなくなる相手からの購入は、この一点で詰みます。
難しい制度理解は不要です。購入前に、この2つを文面で聞いてください。
画面ごとの具体的な手順は、当店のドローンの名義変更を簡単にする方法で「普通の方法(移転用パスワード)」と「簡単な方法」の両方を解説しています。前オーナーに抹消をお願いするときの伝え方は、売る側の視点で書いたDIPS登録抹消手続きの解説のURLをそのまま共有するのが早いです。
所有者に変更があった場合、その事由があった日から15日以内に変更に係る事項を届け出ることとされています(航空法施行規則第236条の10)。また新規登録の手数料は、本人確認の方法によってオンライン申請で900〜1,450円、紙申請で2,400円とされています。中古機の予算は、本体価格に加えてこの登録手数料と、後述するバッテリーの買い直し分まで含めて考えるのが現実的です。
機体登録の有効期間は3年です。有効期限の1か月前以降に更新を行った場合は、満了日の翌日から3年後が新たな有効期限になるとされています。中古機の場合、登録の有効期限が残りわずかということもあり得ますので、移転で引き継ぐ場合は残存期間も確認しておくと安心です。なお、登録記号を希望することはできません。
リモートID搭載の免除は、2022年6月19日までに登録申請を行い登録された機体、および飛行エリアを定めて安全措置を講じる旨の届出を行った場合(リモートID特定区域)での飛行、といった条件で認められるとされています。ただし、事前登録で免除された機体を所有者移転または抹消・新規登録した場合に免除が継続するかについては、公式に明示された記載を確認できませんでした。該当しそうな機体を検討している場合は、必ずDIPSヘルプデスクにご確認ください(2026年9月時点)。
また外付けのリモートID機器が付属していた場合、機器はその都度、機体ごとの登録情報を設定し直す必要があるとされています。前オーナーの登録情報が書き込まれたまま使うことはできません。
技適は、現物が手元にない購入前の段階でも確認できます。実務としては次の3手段です。
注意したいのは、FCC(米国)やCE(欧州)のマークは日本の技適とは別制度だという点です。海外版・並行輸入品は、DJI製品であっても国内向けの技適を取得していない場合があります。制度の詳細・罰則・特例制度はドローンの技適マークとは?にまとめていますので、そちらをご覧ください。購入者としての実務的な結論は、技適が確認できない機体は国内で電源を入れない判断が無難、ということになります。
出品情報の「2023年購入」といった記載は、多くの場合その方の記憶です。当店が査定で見るのは、そこではありません。シリアルナンバー(S/N)から確認できるアクティベーション日です。DJIには、S/Nを入力するか、DJIアカウントの「紐付けられた製品」からデバイス情報(アクティベーション日・保証状況)を照会できる公式ページが用意されています。
購入前の実務アクションはシンプルで、出品者にS/Nの提示を依頼することです。そのうえで、機体本体・元箱・登録情報の3か所でS/Nが一致しているかを確認します。ここが食い違う機体は、部品交換歴や別個体の混在が疑われます。なお、DJIの案内では「製品のアクティベーション時間は保証期間に影響せず、保証期間は製品の実際の受領日の翌日から起算される」とされていますので、アクティベート日はあくまで「どのくらいの期間、実運用され得たか」を推し量る材料として使ってください。機種や型番そのものの特定方法は遺品・相続のドローン売却ガイドで写真付きに解説しています。
見落としやすいのがこれです。DJI製品は機体・送信機をDJIアカウントに紐付けて管理します。紐付けが残ったままだと、紛失認定などの状況下で第三者が使用できないよう制限がかかる仕組みがあるとされており、中古で受け取った機体が離陸できない、という事態にもつながり得ます。
解除は前オーナー側の操作です。DJI Flyでは「機器管理」から「機器をアカウントから削除」、送信機は「機器管理」→「付加価値サービス」→「送信機との紐づけを解除」。DJI Pilot 2 では「機器管理」から「機器の削除」「機器の紐付け解除」を行います。購入者側の確認方法は簡単で、受け取り後すぐに自分のアカウントで紐付けできれば、解除済みだと分かります。ここは受取当日に必ず試してください。
DJIのバッテリーはサイクル数を機体側に記録しています。DJI Flyなら映像伝送画面右上の「…」→「安全」→「バッテリー情報」、DJI GO 4 ならカメラビュー右上の「…」→バッテリーアイコン→「バッテリー履歴」で確認できます。出品者に「この画面のスクリーンショットをください」と依頼するのが、最も客観的で揉めない確認方法です。
ここは誤解が多い部分です。DJIの案内では、バッテリーの累計放電量が容量の75%に達した時点で1サイクルとして記録され、これには自己放電で消費した分も含まれるとされています。したがって「サイクル数が少ない=劣化していない」とは限りません。長期間放置されていた機体は、飛ばしていなくても自己放電でサイクルが進み、かつセルが傷んでいる可能性があります。サイクル数と併せて「最後に飛ばしたのはいつか」を必ず聞いてください。
わずかでも膨らみのあるバッテリーは、安全上のリスクがあります。当店も膨張バッテリーは一律で買取対象外としており、中古購入でも同じ判断をおすすめします。付属品のなかでバッテリー本数はもっとも金額差の出る項目でもあり、「本数が多いから割安」と見えても、その多くが劣化していれば結局は買い直しです。膨張についてはバッテリー膨張したドローンは買取できる?、寿命の考え方はバッテリー寿命はどのくらい?をご覧ください。
当店が現物確認で必ず触る箇所を、そのまま列挙します。受け取り当日、返品交渉が可能な期間内に確認してください。
そして、購入者にとって最も実利のある警告をひとつ。墜落歴・水没歴のある機体は買わない判断が無難です。当店は故障・水没・墜落によって動作しない機体はお取り扱いしておらず、これは当店に限った話ではありません。つまり、安く買った修理歴のある機体が動かなくなった瞬間、売却という出口が消えます。中古を選ぶ最大の目的が「安く済ませること」なら、この出口の有無こそ最初に考えるべき論点です。
DJI Care Refreshについて、DJI公式は「DJI Care Refreshサービスは他人に譲渡することはできません」と案内しています。また新規加入の条件は、未アクティベーション、またはアクティベーションから96時間以内のドローン製品(ハンドヘルド製品は30日以内)とされており、一般的な中古機は事実上あとから加入できません。例外として、DJI認定整備済製品ではCare Refreshを購入できるとされており、通常の中古とは扱いが異なります。
当店としては個別ケースを一律に断定はしませんが、「保証は付いてこない前提で本体状態を判断する」のが安全です。詳しくはDJI Care Refresh加入機を「売る・買う」ときの保証はどうなる?をご覧ください。
比較軸は「安さ」ではなく、ここまでのチェック項目を実行できるかどうかで組むべきです。
| 確認できるか | 中古取扱のある販売店 | フリマアプリ | ネットオークション |
|---|---|---|---|
| DIPS抹消・移転の依頼 | 店として対応方針がある場合が多い | 個人任せ・取引後に連絡不能のリスク | 同左。落札後の交渉になりがち |
| S/Nの事前開示 | 依頼しやすい | 依頼可だが応じるかは相手次第 | 入札前の質問期限に注意 |
| 受け取り時の通電確認・初期不良対応 | 期間を設けている場合がある | 基本は現状渡し | 基本はノークレーム |
| 技適の説明責任 | 店側に説明を求めやすい | 不明のまま出品されることがある | 同左 |
フリマ・オークションの最大リスクは価格でも状態でもなく、取引完了後に前オーナーと連絡が取れなくなり、DIPSの移転手続きが進められなくなることです。移転用パスワードの発行は前オーナーにしかできないため、これは購入者側の努力では解決できません。フリマの手数料構造やトラブル類型は、出品する側の視点でドローンはメルカリで売れる?にまとめています。
なお冒頭でも触れましたが、当店ドローンストックは買取専門のため、中古ドローンの販売は行っておりません。販売店をお探しでこのページに来られた方には直接のお役には立てませんが、どこで買うにせよ本記事のチェック項目はそのまま使えます。
購入後は、機体登録 → リモートIDの設定 → 飛行ルールの確認 → 保険の検討 → 飛行記録の準備、という順で進めます。具体的な手順はドローン買ったら最初にすることを、法制度の全体像はドローン所有者が最低限知っておくべきことをご覧ください。旧機種を検討中の方は、機種ごとの違いをまとめたPhantom 4 全5機種比較のような機種別記事も参考になります。
はい。重量100g以上の機体は登録が必要で、前所有者が登録を抹消している場合はあなたが新規登録を行います。抹消されていない場合は、前所有者による所有者移転の手続き、または抹消手続きが前提になります。所有者に変更があった場合は、その事由があった日から15日以内の届出が求められています(2026年9月時点)。
所有者移転は、登録されている所有者が移転用パスワードを発行し、それを新所有者に連絡することが前提とされています。前所有者の協力なしに購入者側だけで完結させる方法は用意されていません。連絡が取れなくなる可能性のある取引では、購入前に「抹消済みか」「移転用パスワードの発行に応じてもらえるか」を必ず確認してください。個別の事情はDIPSヘルプデスクにご相談ください。
一般的な中古機では難しいとされています。DJI公式の案内では、新規加入は未アクティベーションの製品、またはアクティベーションから96時間以内のドローン製品(ハンドヘルド製品は30日以内)が条件とされているためです。またDJI公式は「DJI Care Refreshサービスは他人に譲渡することはできません」とも案内しています。例外としてDJI認定整備済製品はCare Refreshを購入できるとされています。最終的な取り扱いはDJI公式サポートでご確認ください。
購入前に、機体底面やバッテリー収納部のラベル写真を出品者に依頼するか、型式名から総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」で確認することをおすすめします。FCCやCEのマークは日本の技適とは別制度です。技適が確認できない機体を国内で電波を発射して使用すると電波法違反となる可能性があるため、確認が取れないうちは電源を入れない判断が無難です。
回数だけで一律の合否を決めることはおすすめしません。DJIの案内では、累計放電量が容量の75%に達した時点で1サイクルと記録され、自己放電分も含まれるとされています。つまりサイクル数が少なくても、長期保管されていれば劣化している可能性があります。サイクル数の確認と併せて、膨張の有無と「最後に飛ばした時期」を優先して確認してください。膨張しているバッテリーは購入も受け取りも避けるべきです。
申し訳ありませんが、故障・水没・墜落などで動作しない機体はお取り扱いしておりません。その機体に由来する付属品も同様です。一方で、単体で正常に動作する純正付属品(予備バッテリー・送信機など)であれば、単体でのご売却は通常どおり承っております。中古機を選ぶ際に「動かなくなったら売れない」という前提を織り込んでおくことが、結果的にいちばんの節約になります。
中古を検討している理由が「新型への買い替え」であれば、いま使っている機体を売って差額を抑えるという選択肢があります。中古機の登録・技適・バッテリーのリスクを負うより、現行機を適正価格で手放して新品に乗り換えたほうが総額で有利になるケースは珍しくありません。考え方はDJIの賢い買い替えガイドに、初めて売る方向けの流れは初めてのドローン買取 完全ガイドにまとめています。
ドローンストックの買取条件(2026年9月時点)
・DJI製品専門の宅配買取のみ。お問い合わせはLINEと見積フォームで承ります
・査定回答は概ね1営業日以内。到着から5営業日以内に動作チェックを行います
・査定料・キャンセル料・振込手数料は無料。梱包キットの送付は行っておりません
・買取成立時の発送送料は当社負担/不成立時の返送送料はお客様ご負担(輸送事故が原因の不成立は当社負担)
・配送補償は宅配便の責任限度額30万円です。30万円を超える場合はゆうパックのセキュリティサービス(郵便局窓口での申告・加算420円・上限50万円)または分割発送をご案内します。当社では運送保険の手配は行っておりません
・実績は300台以上(2016年〜)、全国47都道府県対応
・動作しない機体(故障・水没・墜落)と膨張バッテリーはお取り扱いしておりません
機種ごとの評価の考え方は買取相場の仕組みをご覧ください。ご相談は機種名・写真・累計飛行時間の3点をお送りいただければ十分です。
なお、本記事で触れた法令・制度・メーカーの案内内容は2026年9月時点のものです。登録制度は国土交通省・DIPS、技適は総務省、保証はDJI公式サポートで、それぞれ最新の情報をご確認ください。