📊 結論:Inspire は「世代で査定の論点がまったく違う」シリーズです
Inspire 1 系は全機種がメーカーサポート終了・TB47/TB48 バッテリーも生産終了で、大手買取店の価格表からは外れています。それでも「正常動作・バッテリー健全・技適あり」の個体はドローンストックの査定対象です。Inspire 2 は CinemaDNG / Apple ProRes ライセンスが機体シリアルに紐づくため、ライセンスを換金する唯一の方法が「機体ごと売ること」。Inspire 3 は所有者の多くが法人で、リース物件かどうか・決算期・宅配便の 30 万円補償上限が実務上の最大の論点になります。世代を取り違えたまま売却を進めると、価値のある構成をバラして損をします。
✏️ この記事の監修
株式会社ヴィンテージストック(長野県松本市/DJI買取専門店 ドローンストック運営)。2016年からの累計買取・販売実績300台以上。長野県公安委員会 古物商許可 第481321600012号。
🚗 自動車の「インスパイア」をお探しの方へ:本記事は DJI の空撮ドローン Inspire シリーズ(Inspire 1 / Inspire 2 / Inspire 3)の買取ガイドです。ホンダ・インスパイア(乗用車)の買取情報ではありません。お探しの内容が違っていた場合は、お手数ですがブラウザの「戻る」でお戻りください。
DJI Inspire は、離陸後にアームが持ち上がりカメラが 360 度さえぎるものなく回る「変形機体」として設計された、プロ映像用のプラットフォームです。この構造ゆえに Phantom や Mavic とは別の商品カテゴリとして扱われてきました。査定の考え方も、他機種と同じにはなりません。
この記事では、Inspire 1 系(1 / Pro / Pro Black / RAW / V2.0)、Inspire 2、Inspire 3 の 3 世代について、2026 年 8 月時点で「今どういう状態にあるか」と、売却するときに何を確認すべきかを整理します。機種ごとの金額レンジは扱いません。数字は市況で動くため、DJI買取相場一覧と各機種ページに委ね、本記事は「査定の見方」に徹します。
Inspire を売ろうとして検索した方の多くが、まずここでつまずきます。「インスパイア 買取」「Inspire 買取」といった無修飾のキーワードでは、検索結果がほぼホンダ・インスパイア(乗用車)で占められます。中古車買取の大手や車買取一括査定のサイトが上位を独占し、ドローンの情報はほとんど表示されません。
これは検索エンジンの不具合ではなく、「インスパイア」という語の検索需要の大半が自動車側にあるためです。解決は簡単で、「DJI」または世代番号を付け加えるだけです。
この一手間で、検索結果はドローン側に完全に切り替わります。逆に言えば、Inspire を売却検討中の方が正しい情報にたどり着きにくい構造があるということです。Inspire シリーズの成り立ちそのものについては DJI Inspireの歴史 にまとめています。
| 世代 | 時期 | カメラ | バッテリー | 2026年8月時点の状態 |
|---|---|---|---|---|
| Inspire 1 | 2014年11月発表/2015年10月 生産終了 | Zenmuse X3(1/2.3型・4K) | TB47(4500mAh)/TB48(5700mAh) | DJIサポート終了。バッテリー純正入手困難 |
| Inspire 1 Pro / Pro Black | 2016年10月 生産終了 | Zenmuse X5(M4/3・レンズ交換式) | TB47/TB48 | 同上。X5+レンズが価値の中心 |
| Inspire 1 RAW | 2016年11月 生産終了 | Zenmuse X5R+512GB SSD(CinemaDNG RAW) | TB47/TB48 | 同上。SSD・専用リーダーの有無が重要 |
| Inspire 1 V2.0 | 2018年5月 生産終了 | Zenmuse X3 | TB47/TB48 | 2023年2月15日にDJIサポート終了(メーカー修理受付終了) |
| Inspire 2 | 2016年11月発売/生産完了 | Zenmuse X4S/X5S/X7(交換式) | TB50 を2本1組(97.58Wh) | DJIのサポート終了リストには2026年8月時点で未掲載 |
| Inspire 3 | 2023年4月12日発表/2023年6月発売 | Zenmuse X9-8K Air(フルサイズ8K) | TB51 | 現行。日本定価 1,769,900円(税込) |

Inspire 1 系について、買取店として最初にお伝えすべき事実を隠さずに書きます。
「値が付かない機種です」と書いた方が話は早いのですが、それは実態と違います。ドローンストックでは、次の条件を満たす Inspire 1 系は査定対象です。
✅ Inspire 1 系が査定対象になる条件
① 電源が入り、正常に飛行可能な状態であること(故障・水没・墜落機は買取対象外です)/② バッテリーが膨張しておらず、充電・給電が正常であること/③ 技適マークが確認できる正規流通品であること/④ 送信機とジンバル・カメラが機体とペアリングできること
逆に、落下・水没後に電源が入らない、モーターが回らない、ジンバルが初期化されない、といった正常動作しない機体は買取をお受けできません。これは Inspire に限らず全機種共通の方針です。壊れた本体に取り付けられていた付属品も、同じく対象外とさせていただいています。
Inspire 1 系の査定は、機体そのものより構成品の内訳で差がつくのが特徴です。
もうひとつ固有の注意点があります。この世代は旧アプリの DJI GO 系(Mavic 以降の GO 4 ではありません)で運用する設計で、長期間通電していない個体では機体・送信機・カメラ間のファームウェアが噛み合わず飛行できないことがあります。売却前に一度通電し、「今、実際に飛ぶか」を確認していただくと査定結果とのズレが出にくくなります。
出典:DJI 公式 YouTube チャンネル|製品詳細は DJI 公式サイト をご確認ください。
2016 年 11 月発売の Inspire 2 は、今もプロの現場で使われ続けている息の長い機体です。TB50 バッテリーを 2 本 1 組(97.58Wh)で搭載する冗長設計、Zenmuse X4S 搭載時 27 分・X5S 搭載時 25 分の飛行時間、交換式カメラの拡張性が支持されてきました。
すでに生産は完了していますが、DJI が公開しているサポート終了製品のリストには、2026 年 8 月時点で Inspire 2 は掲載されていません。つまり「サポート終了がアナウンスされた」段階には至っていない、というのが現状です。ここが Inspire 1 系との決定的な違いで、Inspire 2 が中古市場で流通し続けている理由でもあります。
Inspire 2 の売却でいちばん見落とされやすく、いちばん金額に影響するのがここです。
Inspire 2 の CinemaDNG および Apple ProRes 収録ライセンスは、有償で追加購入するアクティベーション方式です。このライセンスは「機体のシリアル番号」に紐づいて登録されます。アカウントではなく機体に紐づく——これが重要です。
🔑 ここが結論
ライセンスだけを切り離して単体で売ることはできません。したがって、購入したライセンスを換金する唯一の方法は「ライセンス済みの機体ごと売却すること」です。機体を手放したあとにライセンスだけが手元に残る、ということは起こりません。
ご自身の機体にライセンスが入っているかは、DJI Assistant 2 を PC にインストールし、機体を USB 接続してアクティベーション状態を確認するのが確実です。ライセンスの有無は査定の見方に直接影響するため、事前にわかっていれば見積りの精度が上がります。
Inspire 2 はカメラが交換式のため、「どのカメラが付いているか」で構成の性格が変わります。
カメラは単体で正常動作すれば、機体と別にお売りいただくことも可能です。ただし一式としてまとまっている状態のほうが構成として評価しやすいのが一般的です。バラして売るか一式で売るかは、見積りフォームから両方のパターンでご相談ください。
TB50 は 2 本 1 組で機能します。片方だけ膨張している、片方だけ充電できない、という状態だと運用できません。膨張している個体は買取対象外ですが、本体や他の付属品は通常どおり査定しますので、膨張バッテリーがあること自体を理由に売却をあきらめる必要はありません。
もう一点、Inspire 2 は Remote ID(リモート ID)を搭載していません。2022 年 6 月 19 日までに事前登録を済ませた機体については搭載義務が免除される経過措置がありますが、譲渡した場合にその免除が引き継がれるかどうかは、一般的に DIPS 上で明確に示されておらず、この記事で断定することはできません。売却をお考えの方は、登録・譲渡の手続きとあわせて、国土交通省の無人航空機登録の窓口にご確認ください。手続きの流れそのものは DIPS登録抹消手続き にまとめています。
Inspire 2 の機種別の実勢については DJI Inspire 2 買取相場(機種ページ) をご確認ください。なお相場は参考実勢であり、為替・新機種の登場・レンタル機材需要などで常に変動します。
出典:DJI 公式 YouTube チャンネル|製品詳細は DJI 公式サイト をご確認ください。
2023 年 4 月 12 日発表、同年 6 月発売の Inspire 3 は、Inspire 2 の正常進化ではなく「シネマカメラを飛ばす機材」として設計し直された世代です。
日本定価は 1,769,900 円(税込)。発売から 3 年が経った 2026 年時点でも新品実売価格が定価近辺で推移する傾向があり、中古の出物が少ないのが Inspire 3 市場の特徴です。理由は明快で、所有者の多くが法人(映像制作会社・機材レンタル会社)であり、償却しきるまで手放さない、あるいは稼働資産として回し続けるためです。
Inspire 3 クラスの機材は、リースやレンタルで導入されているケースが少なくありません。リース物件は所有権がリース会社にあるため、借主が売却することはできません。社内で「うちの機材」として運用されていても、契約上は所有者が別、ということは実際にあります。
法人のお客様には、売却のご相談時に必ずこの点を確認させていただいています。契約書をご確認のうえ、所有権が自社にあること(自社購入資産であること)をお確かめください。所有権移転外ファイナンスリースなど契約形態はさまざまですので、判断に迷う場合はリース会社の窓口にご確認ください。
空撮ドローンは、国税庁の質疑応答事例において「器具及び備品」の「光学機器及び写真製作機器」>「カメラ」に該当するとされ、法定耐用年数は 5 年として扱われるのが一般的です。
176 万円クラスの Inspire 3 は、少額減価償却資産(30 万円未満)の特例にも、一括償却資産(10〜20 万円)にも該当しません。取得価額をそのまま資産計上し、5 年で償却していくことになります。したがって売却時には、帳簿価額と売却額の差が固定資産売却損益として計上されます。
実務上ここが効いてくるのが決算期です。期末をまたぐかどうかで、その期の損益への影響が変わります。売却時期に選択の余地がある場合は、顧問税理士に相談してタイミングを決めることをおすすめします。会計上の扱いは ドローンの耐用年数と減価償却 で解説しています。個別の税務判断は必ず顧問税理士または所轄税務署にご確認ください。
また、いつ売るのが機材として合理的かという観点は DJIドローンの売り時 にまとめています。Matrice / Agras などの業務機を含めた法人案件は 産業用ドローン買取ガイド もあわせてご覧ください。
ドローンストックは宅配買取のみで対応しています(店頭・出張はございません)。ここで高額機材に固有の実務問題が出てきます。宅配便の補償は 1 個口あたり 30 万円が上限で、ヤマト運輸・佐川急便・ゆうパックのいずれも共通です。定価 176 万円の Inspire 3 一式を 1 箱で送った場合、万一の事故があっても補償されるのは 30 万円まで、ということになります。
| 想定金額 | 推奨する発送方法 | 補足 |
|---|---|---|
| 〜30万円 | 通常の宅配便 | 標準の補償範囲内に収まります |
| 30万円〜50万円 | ゆうパックのセキュリティサービス | 郵便局の窓口で申告。オプション料金 420 円。上限 50 万円 |
| 30万円超(構成を分けられる場合) | 分割発送 | 機体/カメラ・レンズ/送信機・バッテリーなどに分け、1 個口あたりを補償範囲に収めます |
| 50万円超 | 個別にご相談 | 分割方法を含め、事前に発送プランをすり合わせます |
当社が運送保険を手配することはありません。発送方法の選択はお客様側で行っていただく必要があるため、高額構成の場合は必ず事前にご相談ください。なお、輸送事故に起因して買取が不成立となった場合の返送料は当社が負担します。これまで輸送中の事故は発生していませんが、金額が大きい取引ほど事前の取り決めを明確にしておくことが双方にとって安全です。詳細は 買取の流れ(配送補償について) に記載しています。

単体で正常に動作する DJI 純正の付属品——送信機、健全なバッテリー、Zenmuse カメラ、DL レンズなど——は、機体がなくても単体でお売りいただけます。
法人のお客様には、見積書・請求書の発行、法人口座へのお振込みに対応しています。実際の買取事例は 買取実績一覧 をご覧ください。
Q. 「インスパイア 買取」で検索すると自動車ばかり出てきます。ドローンの情報を探すには?
A. 検索語に「DJI」または世代番号を足してください。「DJI Inspire 買取」「Inspire 2 買取」「Inspire 3 買取」とすると、検索結果はドローン側に切り替わります。「インスパイア」単体はホンダ・インスパイア(乗用車)の検索需要が圧倒的に大きいため、無修飾では自動車の情報が占有します。カメラ名の「Zenmuse X7 買取」などで引くのも有効です。
Q. Inspire 2 の CinemaDNG / ProRes ライセンスだけを別に売れますか?
A. 売れません。これらのライセンスは機体のシリアル番号に紐づいて登録されるため、ライセンスだけを切り離して譲渡・売却することはできません。購入されたライセンスを換金する唯一の方法は、ライセンス済みの機体ごと売却することです。ご自身の機体にライセンスが入っているかどうかは、PC に DJI Assistant 2 をインストールし、機体を接続してアクティベーション状態をご確認ください。
Q. Inspire 1 はまだ値が付きますか?
A. 条件付きで査定対象です。Inspire 1 系は全機種がメーカーサポート終了、TB47 / TB48 バッテリーも純正生産終了で、大手買取店の公開価格表からは除外されているのが実情です。そのうえで、①正常に飛行できる、②バッテリーが膨張しておらず充電できる、③技適マークがある——この条件を満たす個体は当社の査定対象です。特に Zenmuse X5 / X5R や純正 MFT レンズ、健全な TB47 / TB48 が揃っている構成は評価が動きます。逆に飛ばない機体はお受けできません。
Q. リースで導入した Inspire 3 を売却できますか?
A. リース物件は所有権がリース会社にあるため、借主であるお客様が売却することはできません。まず契約書をご確認いただき、自社購入資産か、リース/レンタル物件かをはっきりさせてください。契約形態の判断が難しい場合は、リース会社の窓口にご確認ください。自社購入資産であることが確認できれば、法人名義での買取(見積書・請求書発行、法人口座振込)に対応します。
Q. Inspire 3 は 176 万円の機材ですが、宅配便で送って大丈夫ですか?
A. 宅配便の補償は 1 個口あたり 30 万円が上限です(ヤマト・佐川・ゆうパック共通)。30 万円を超える場合は、郵便局窓口で申告するゆうパックのセキュリティサービス(オプション 420 円・上限 50 万円)をご利用いただくか、機体/カメラ・レンズ/送信機・バッテリーのように分割して発送し、1 個口あたりを補償範囲内に収める方法をご案内しています。50 万円を超える構成は個別にご相談ください。当社側で運送保険を手配することはありません。なお、これまで輸送中の事故は発生しておらず、輸送事故に起因して買取不成立となった場合の返送料は当社が負担します。
Q. バッテリーが膨らんでいます。機体ごと買取不可になりますか?
A. いいえ。膨張したバッテリーは安全上の理由から一律で買取対象外ですが、本体・送信機・カメラ・その他の付属品は通常どおり査定します。膨張バッテリーがあることを理由に売却をあきらめる必要はありません。ただし膨張したセルは発火リスクがあるため、発送時の同梱は避け、お住まいの自治体または販売店の回収ルールに従って処理されることをおすすめします。詳しくは膨張バッテリーの取扱をご覧ください。
Q. 機体は手放しましたが Zenmuse X7 と DL レンズが残っています。カメラだけでも売れますか?
A. はい。単体で正常に動作する DJI 純正の付属品——Zenmuse カメラ、DL / MFT レンズ、送信機、健全なバッテリーなど——は、機体がなくても単体で買取可能です。DL レンズは本数とケースの有無で構成の完成度が変わりますので、お手持ちの内訳をフォームにご記入ください。詳しくはドローンパーツ買取・アクセサリー買取ガイドをご覧ください。なお、故障・水没・墜落した本体に取り付けられていた付属品は買取対象外となります。
Q. Inspire 2 は Remote ID が付いていませんが、譲渡しても飛ばせますか?
A. 一般的に、2022 年 6 月 19 日までに事前登録を済ませた機体には Remote ID 搭載義務の免除(経過措置)が適用されています。ただし、譲渡によってその免除が引き継がれるかどうかについては DIPS 上に明記がなく、当社として断定的にお答えすることはできません。売却・譲渡をご検討の際は、国土交通省の無人航空機登録の窓口にご確認ください。登録・抹消の実務はDIPS登録抹消手続きにまとめています。
Inspire は「世代ごとに別の商品」として扱うべきシリーズです。Inspire 1 系はサポート終了を前提に、それでも動く個体と健全なバッテリー・Zenmuse X5 系に価値が残ります。Inspire 2 はライセンスと構成が金額を左右し、ライセンスは機体と一緒でなければ換金できません。Inspire 3 は法人資産として、リース契約・決算期・配送補償という映像技術とは別の論点を先に片付ける必要があります。
ドローンストックは長野県松本市の DJI 買取専門店として、2016 年からの累計買取・販売実績 300 台以上を重ねてきました。Inspire は構成が複雑な分、事前の情報のやり取りが結果を左右します。型番・付属品・ライセンスの有無を書き添えて、見積りフォームまたは LINE からご相談ください。概ね 1 営業日以内にご回答します。
※本記事に記載の仕様・時期は 2026 年 8 月時点の公表情報に基づきます。中古市況は為替・需要動向により変動します。税務・航空法の個別判断については、顧問税理士および所轄の窓口にご確認ください。
株式会社ヴィンテージストック(長野県松本市)/古物商許可 長野県公安委員会 第481321600012号
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