DJI Inspireの歴史|映像制作ドローンの系譜 Inspire 1→3【2014-2026】 - DJI 買取専門店 ドローンストック(ドローンストック)

DJI Inspireの歴史|映像制作ドローンの系譜 Inspire 1→3【2014-2026】

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こんにちは。DJI買取専門の宅配買取店「ドローンストック」を運営しております、株式会社ヴィンテージストック代表の草間です。

テレビCM、企業VP、映画やミュージックビデオ。「空撮」がプロの映像表現として当たり前になった背景には、必ずと言っていいほどDJI Inspireシリーズの存在があります。PhantomやMavicが「空撮を身近にした」機体だとすれば、Inspireは「空撮を作品づくりの道具にした」機体です。当店にも法人様や映像制作者様からInspireの査定ご依頼をいただきますが、この機体だけは他のドローンと少し空気が違う。機材システムとして大切に運用されてきた痕跡が、送られてくる写真から伝わってくるのです。今回はそんなInspireシリーズの約10年の歴史を、初代からInspire 3まで通してたどります。

結論:DJI Inspireは「映像制作のための変形ドローン」です。Inspire 1(2014年)→ Inspire 2(2016年)→ Inspire 3(2023年)と、約10年でわずか3世代という更新周期そのものが、業務機としての性格を物語っています。

  • Inspire 1は4KカメラとHD映像伝送を一体化した初のドローンとされ、変形機構で360°の視界を実現
  • Inspire 2はCinemaDNG/ProRes対応(ライセンス制)で映像業界の定番機に
  • Inspire 3はフルサイズセンサーで8K収録に対応する完全なシネマ機
  • 生産終了と報じられるInspire 2は、業務機として中古市場で今も根強い需要があります

Inspireとは——PhantomやMavicと何が違うのか

Inspireを一言で表すなら「変形するカメラ交換式ドローン」です。離陸後にアームとランディングギアがせり上がり、カメラの視界からプロペラや脚が消える。ジンバルはほぼ360°回転でき、機体の向きに縛られずにカメラを振れる。この変形機構こそが、Inspireを他のDJI機と分ける最大の特徴です。

もうひとつの柱がZenmuseカメラの交換式設計です。機体はそのままに、撮影内容に合わせてカメラを載せ替えられる。つまりInspireの歴史は、そのままZenmuseカメラの進化の歴史でもあります。さらに操縦者とカメラオペレーターが別々の送信機を持つ「2オペレーター運用」に対応しており、映画撮影の現場と同じ分業体制を空撮に持ち込めます。

携行性で空撮を広げたMavic、定番空撮機として普及したPhantomとは、設計思想もユーザー層も異なります。各シリーズの実用的な売却情報はPhantom 4シリーズ買取ガイドMavicシリーズ買取ガイドにまとめていますので、本記事は「シリーズ全史」に軸を置いてお読みください。

Inspireシリーズ世代年表(2014-2026)

世代発表時期主なカメラ画期的だった点
Inspire 12014年11月Zenmuse X3(1/2.3型・4K)4KカメラとHD映像伝送を一体化した初のドローンとされる。変形機構で360°の視界
Inspire 1 Pro / RAW2015年9月Zenmuse X5 / X5Rドローン用として初のマイクロフォーサーズカメラ(DJI発表)。レンズ交換が可能に
Inspire 22016年11月Zenmuse X4S / X5S5.2K CinemaDNG/Apple ProRes収録(ライセンス制)。デュアルバッテリーと2オペ運用
(Inspire 2用)Zenmuse X72017年10月Super 35センサー世界初のSuper 35空撮カメラ(DJI発表)。Inspire 2を映像業界の定番へ押し上げた
Inspire 32023年4月13日Zenmuse X9-8K Airフルサイズセンサーで8K収録。RTKによるリピート自動撮影に対応

※発売時期は国内外の発表・発売時期が情報源により異なる場合があります(2026年7月時点の整理)。

プロの映像制作用ドローンのイメージ
映像制作の現場で使われるプロ向けドローンのイメージ

第1世代 Inspire 1(2014年)——空撮を「作品」に変えた一体型

Inspire 1は2014年11月に発表されました。当時の空撮は、機体・ジンバル・カメラ・映像伝送装置を別々に組み合わせる「自作システム」が主流で、安定して飛ばすだけでも専門知識が必要でした。Inspire 1はそこに、4KカメラのZenmuse X3とHD映像伝送(Lightbridge)を最初から一体化した完成品として登場します。箱から出して、プロ品質の空撮が始められる。この衝撃は大きく、4KカメラとHD映像伝送を一体化した初のドローンとされています。

白いボディが離陸とともに変形し、脚が持ち上がってカメラの視界が開ける姿は、それまでのマルチコプターとは明らかに違う「映像機材」の佇まいでした。翌2015年9月には、ドローン用として初のマイクロフォーサーズカメラ(DJI発表)となるZenmuse X5/X5Rが登場し、レンズ交換とRAW収録に対応したInspire 1 Pro/RAWへと発展。趣味の空撮機と業務用シネマ機の中間に、新しいジャンルが生まれた瞬間でした。

現在の中古市場での立ち位置を正直に申し上げると、登場から10年を超えたInspire 1は「値ごなれが進んだ世代」です。バッテリーや送信機の経年もあり、実用機というよりコレクション・練習機としての流通が中心になりつつあります。

第2世代 Inspire 2(2016年)——CinemaDNG/ProResで映像業界の定番へ

2016年11月、Phantom 4 Proと同時に発表されたInspire 2は、初代の思想を業務機として徹底的に磨き上げた機体です。マグネシウム合金ボディ、寒冷地でも安定するデュアルバッテリー(TB50・2本1組)、機首のFPVカメラによって操縦者とカメラオペレーターが完全に分業できる2オペ運用。そして最大の目玉が、Zenmuse X5Sとの組み合わせによる5.2K CinemaDNG RAWとApple ProRes収録でした。

注意したいのは、このRAW/ProRes収録が標準機能ではなく、ライセンスキーを別途購入して有効化する方式だった点です。「Inspire 2ならRAWが撮れる」は正確には「ライセンスを購入したInspire 2なら」であり、この仕組みは中古で手放す際の評価にも関わってきます(後述します)。

2017年10月には、世界初のSuper 35空撮カメラ(DJI発表)であるZenmuse X7が登場。専用のDLマウントレンズ群と合わせて、Inspire 2はシネマカメラの画質基準に到達し、映像業界で広く使われたと紹介されています。空撮の「定番業務機」という地位は、この機体で確立されたと言ってよいでしょう。

第3世代 Inspire 3(2023年)——フルサイズ8Kのシネマ機

Inspire 2から実に6年半。2023年4月13日に発表されたInspire 3は、もはや「ドローン」というより「飛ぶシネマカメラ」です。フルサイズセンサーのZenmuse X9-8K Airを搭載し、8K/25fpsのCinemaDNGや8K/75fpsのProRes RAWを内部収録。映像処理基盤のCineCore 3.0、伝送はO3 Pro、そしてRTK測位により同じ飛行経路・同じカメラワークを正確に再現するリピート自動撮影(Waypoint Pro)まで備えました。日中と夜間で同一カットを撮る、といった劇映画的な撮影が1台で成立します。

映像制作クルーの撮影現場のイメージ
映画・CM制作の現場イメージ

国内発表時のコンボ希望小売価格は1,769,900円(税込)でした。この価格帯が示すとおり、Inspire 3は趣味層を完全に離れ、制作会社・プロダクション向けの機材として設計されています。なお、後継機については2026年7月時点で公式発表はありません。

映像制作の現場でInspireが使われ続ける理由

約10年で3世代という更新周期は、毎年のように新型が出るMavicとは対照的です。これはInspireが「単体の機体」ではなく「機材システム」として買われているからだと考えています。Zenmuseカメラ、DLレンズ、予備バッテリー、送信機2台、専用ケース。一式を揃え、スタッフが運用に習熟し、案件の実績を積み上げる。この投資があるからこそ、現場は簡単には機材を入れ替えません。

そして「システムとして買われる」機材は、手放すときも構成一式で評価されます。ここがInspireの中古市場を理解する鍵です。

Inspire 2の中古市場の現在——生産終了世代の業務機がなぜ根強いか

Inspire 2は2022年ごろに生産終了となったと報じられています(2026年7月時点)。国内の販売店でも取扱終了の表記が並び、新品の入手は難しくなりました。ところが中古市場では、業務での稼働実績があるInspire 2への需要が今も続いています。Inspire 3への更新には大きな投資が必要な一方、Inspire 2は「仕事で使える画が撮れる」ことが現場で証明済みだからです。

当店の累計買取実績131件(2018年〜2026年7月時点・当店買取記録より)のうち、Inspire系は7件(同時点・当店買取記録より)。数は多くありませんが、1件ごとの構成の違いが査定に大きく響くのがこのシリーズの特徴です。査定で確認するポイントを整理します。

構成要素査定で見られるポイント
ZenmuseカメラX4S/X5S/X7のどれが付属するか。カメラの種類で機材としての性格が変わる
DLレンズ(X7用)本数と焦点距離の構成。レンズ群が揃った一式は評価されやすい
TB50バッテリー2本1組で運用するため、本数と状態が重要。膨張したバッテリーは一律買取対象外
収録ライセンスCinemaDNG/Apple ProResライセンスの有無。有効化済みの機体は業務用途での価値が異なる
送信機・ケース2オペ用の送信機2台や専用ケースなど、運用一式が揃っているか

つまりInspire 2は「本体がいくら」ではなく「どんなシステムとして手放すか」で評価が決まる機体です。具体的な相場観はInspire 2の買取相場ページを、評価が決まる仕組みそのものはドローン買取相場の仕組みをご覧ください。生産終了世代は市場在庫が減るほど希少性が意識される一方、後継機の普及で需要が移る局面もあります。手放す時期の考え方は売り時ガイドで詳しく解説しています。

法人・プロが手放すときの実務

制作会社様の機材更新や事業整理では、減価償却が終わったInspireを複数台まとめて手放すケースも珍しくありません。法人機材の一括査定や必要書類などの実務は産業用・業務機買取ガイドに委ねますが、要点だけ記しておきます。当店は宅配買取専門で、査定のご依頼はLINEまたは見積フォームから機種名・写真・累計飛行時間をお送りいただく形です。回答は概ね1営業日以内。対象は動作するDJI正規品で、膨張のあるバッテリーは一律買取対象外です。Inspire以外の機種も含めた全体像はDJI全機種の買取相場まとめをどうぞ。

夕景を飛行するシネマティックなドローンのイメージ
シネマ品質の空撮イメージ

よくある質問

Inspireシリーズの発売順と発売時期を教えてください

Inspire 1が2014年11月発表、Zenmuse X5を搭載したInspire 1 Pro/RAWが2015年9月以降、Inspire 2が2016年11月発表、Inspire 3が2023年4月13日発表(国内では同年6月末までに発売予定と案内されました)です。約10年で3世代という、業務機らしいゆっくりした更新周期が特徴です。

Inspire 2は生産終了していますか?いま手放すべきでしょうか

2022年ごろに生産終了となったと報じられています(2026年7月時点)。新品入手が難しくなった一方、業務現場では稼働実績のある機体への需要が続いており、カメラやバッテリーの構成次第で評価が変わります。詳しくはInspire 2の相場ページと売り時ガイドをご確認ください。

InspireとPhantom・Mavicは何が違うのですか

最大の違いは、変形機構による360°の遮蔽のない撮影視界、Zenmuseカメラの交換式設計、操縦者とカメラオペレーターの2人運用対応という映像制作特化の設計です。携行性のMavic、定番空撮のPhantomとは役割が異なります。各シリーズの詳細は買取ガイドをご覧ください。

Inspire 2を売るとき、カメラやライセンスは査定にどう影響しますか

Zenmuse X4S/X5S/X7のどれが付属するか、DLレンズの本数、TB50バッテリーの本数と状態、CinemaDNG/ProResライセンスの有無で評価が変わります。膨張のあるバッテリーは一律買取対象外、対象は動作品のみです。LINEか見積フォームから機種名・写真・累計飛行時間をお送りいただければ、構成一式を踏まえて査定いたします。

Inspireシリーズの査定はドローンストックへ
当店は宅配買取専門のDJI買取専門店です。LINEまたは見積フォームから「機種名・写真・累計飛行時間」をお送りください。概ね1営業日以内に査定額をご回答します。査定料・キャンセル料・振込手数料は無料、買取成立時の送料は当社負担です。

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