ドローンをプロポで操作する際、絶対知っておきたい「モード」の違い
ドローンをプロポで操作するにあたり、まず最初にぶつかる壁が「モード」の設定です。
プロポ?モード?
この言葉ですでに戸惑ったあなた。すぐにドローンを置きましょう。車で言う「アクセルとブレーキを踏み間違えた」的な事故を起こします。
というわけで、今回はドローン操作の基本中の基本をまとめてみました。
目次
- プロポとは
1-1.プロポとは
1-2.日本で使っていいプロポ - モードとは
2-1.モード1と4
2-2.モード2と3 - こんな人には「モード1」がおすすめ
- こんな人には「モード2」がおすすめ
- まとめ
1.プロポとは
1-1.プロポとは
プロポとはドローンの送信機のことです。「プロポ-ショナル・システム(比例制御)」の略称で、簡単に言えば「操作に比例して動かすことのできる無線操縦装置」のことです。
といっても、「プロポ」を「プロポーショナル・システム」と呼ぶ人はいません。また時折「リモコン」と呼ぶ人がいますが、初心者感が漂うのでやめましょう。「プロポ」は「プロポ」です。
ただ、海外では「プロポ」では通用しません。一般には「Transmitter(送信機)」や、その略称である「Tx」などと呼ばれます。
1-2.日本で使っていいプロポ
プロポは無線通信にてドローン本体を操縦するため、電波法の規制対象となります。そのため、日本でプロポを使うには、基本的には技適マークの付いたプロポに限られます(技適マークがないプロポの使用には、免許または申請などが必要です)。初心者は必ず技適マークの有無を確認してプロポを選びましょう。
ちなみに、国内向けに販売されているプロポはほぼ間違いなく技適マークは付いています。しかし、ネット通販などで販売されている海外メーカーの一部には、日本と無線事情が異なるため技適マークのないものも多数あります。そして問題となるのが、日本の電波法では、技適マークのない無線機を販売することは規制しておらず、使用することを規制しています。そのため、技適マークの付いていないプロポを購入して使用した場合、その責任は全てユーザー側が負うことになります。
知らなかった。
では済みません。必ず技適マークの有無は確認しましょう。
2.モードとは
モードとは、プロポの操作方法です。モード1~4まで存在し、それぞれのモードでスティックを動かした時の機体の挙動が変わってきます。主流はモード1とモード2ですが、まずはそれぞれの詳細を見てみましょう。
2-1.モード1と4
モード1は、日本のラジコン業界で最もスタンダードとされている操作モードです。
《モード1の操縦仕様》
左スティック:上下→前進後退(エレベーターまたはピッチ)、左右→左右旋回(ラダーまたはヨー)
右スティック:上下→上昇下降(スロットル)、左右→左右移動(エルロンまたはロール)
そしてモード4は、モード1の左右のスティック操作を反転させた操作モードです。左利き用として用意されているモードですが、左利きの人でも利用している人はごくわずかです。
2-2.モード2と3
モード2はラジコン飛行やドローンの操縦において、ワールド・スタンダードな操作モードです。つまり日本以外では標準的な操作モードです。
《モード2の操縦仕様》
左スティック:上下→上昇下降(スロットル)、左右→左右旋回(ラダーまたはヨー)
右スティック:上下→前進後退(エレベーターまたはピッチ)、左右→左右移動(エルロンまたはロール)
そしてモード3は、モード2の左右のスティック操作を反転させた操作モードです。左利き用として用意されているモードですが、世界的に見ても利用している人はごくわずかです。
3.こんな人には「モード1」がおすすめ
日本オリジナルの「モード1」は、上述の通り、日本のラジコン業界で最もスタンダードとされている操作モードです。そのため、日本で操作方法を教わる教室等に通う予定がある人には、モード1をおすすめします。というのも、ドローンの操作に長けている人はラジコンヘリの経験者が多く、モード1でドローンを操作する人が多いからです。
ドローンの操作を学びに行くのに、師匠と異なるモードで学ぶなんてあり得ませんからね。
4.こんな人には「モード2」がおすすめ
モード2は世界標準の操作方法です。したがって、これから独学でドローンを学ぶ方は「モード2」がおすすめです。
また、以下の理由からも「モード2」は推奨できます。
4-1.操作が直感的
まず、モード2の操作は直感的で理解しやすいことがあります。
ファミコンやプレステの十字キーを思い出してください。1つのスティックで上下左右の動きが可能ですよね。感覚的にはあれに似ています。
モード2では、前後左右の移動が右スティックに、上下と回転(旋回)が左スティックに割り当てられています。そのため、ドローンを上から見下ろした際、平面上の前後左右の動きが右スティックのみで可能となり、左スティックで操作する上下方向の移動(3次元的移動)と切り分けることができます。
これは非常に大きな利点です。移動と高度の管理が別々にできるので、操縦時に混乱することが少なくなるのです。
4-2.飛行機やヘリコプターの操縦法に近い
また、モード2は飛行機やヘリコプターなど、実機で採用されている操縦方法に非常に近いことも理由の一つです。
航空機等の事故は死亡事故につながる可能性が高いため、その操縦には非常に厳しいチェックや検査、検証がなされています。操縦方法もその一つで、航空機などには今考えられるベストが導入されており、さらにパイロットによる操縦性の評価も重ねられています。
つまり実機と同じ操縦方法であることは、最適な操縦性を備えていることになります。
したがって、航空実機のパイロットになりたい人はもちろん、これからドローンを始めようとする方は「モード2」を選択するべきでしょう。
4-3.海外製品では、そもそも「モード2」しかない
当然ですが、ドローンのメーカー数は日本より海外の方が多くあります。そのため、そもそも「モード1」がないドローンはたくさん存在します。顕著なケースは、200g未満のトイドローンです。かなりの確率で、モード2しか選べません。
こうした理由からも、やはり「モード2」で慣れておくべきでしょう。
5.まとめ
ドローンの操縦には4つのモードがありますが、主流は「モード1」と「モード2」です。
(モード3はモード2の反転バージョン。モード4はモード1の反転バージョン)
モード1は日本独自のモードです。
日本でドローン教室などへ通う予定のある方は、講師がラジコンヘリ経験者である可能性が高いので、「モード1」を選択した方がよいでしょう。
モード2は世界標準的な操縦方法です。
これからドローンを始める方は、「モード2」を推奨します。
理由は3つ。
- 直感的な操作性
- 操縦方法が実機に近い
- そもそも海外製のドローンには、モード2しかないものもある
最近では、モード1は「ガラパゴス」と揶揄されていますが、ケータイの世界では「ガラケー」が未だに高い需要があるのも事実です。もちろん、モード2を推奨することに変わりはありませんが、人間には向き不向きもあります。まずは実際にプロポを手にして、試してみることをお勧めします。
ではまた、近いうちにお目にかかります。
今年は酉年。
ぜひ一緒に、ドローンで大空を飛び回りましょう!