今さら聞けない? ドローンとラジコンヘリ、そしてマリリン・モンローとの関係。
出典:http://stuffpoint.com/
最近、様々なメディアで「ドローン」という単語を耳にします。
しかし、多くの方はドローンとマルチコプター、UAV、UAS、さらにはラジコンヘリとの区別はついていないのではないでしょうか。また、ドローン・ファンなら絶対知っておくべきマリリン・モンローとの関係も、実は知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は「今さら聞けないドローン雑学」についてまとめてみました。
目次
1.ドローンとは
ドローンとは(明確な定義はありませんが)「小型の無人航空機」のことです。語源は英語です。起動音が蜂が飛んでる時の音に似ていることから、英語で雄のミツバチを意味する「drone」と呼ばれるようになりました。
元々は軍事用に開発され、偵察や爆撃、時には無人暗殺機として暗躍するドローン。しかし、近年では民間利用も増加傾向にあり、Amazon、Google、ドミノピザなどは商品の配達目的での運用を表明しています。また、ホビー用の安価な既製品も多く販売され始め、空撮などを個人で楽しむ方も増えています。
2.マルチコプターとは
マルチコプターとは3つ以上のローターを搭載した回転翼機のことで、ヘリコプターの一種です。「マルチローターヘリコプター」や「マルチローター」とも呼ばれています。「トライコプター」「クアッドコプター」「ヘキサコプター」「オクトコプター」などの呼称がありますが、それらはモーターの数に応じて変わります。
ちなみに、「トライは3つ」「クアッドは4つ」「ヘキサは6つ」「オクトは8つ」なのですが、なぜ「クアッド」だけラテン語なのかは分かりません(他はギリシャ語)。
少し話がそれてしまいましたが、上述の通り、マルチコプターは形状を示す名称です。一方、ドローンは無人飛行機全般を意味する言葉です。したがって、有人の回転翼機はドローンではないマルチコプターですが、無人飛行が可能なマルチコプターは、すべてドローンということになります。
3.UAVとUAS
ドローンに関する記事を読んでいると、時折「UAV」や「UAS」といったワードに出くわすことがあると思います。
UAVとは、「Unmanned Aerial Vehicle(無人航空機)」の略で、無人飛行機を意味します。要するに、ドローンのことです。
UASとは、「Unmanned Aircraft Systems(無人航空機システム)」の略で、FAA(アメリカの連邦航空局)ではドローンをそう呼称しています。
要するに、ドローンもUAVもUASも、無人航空機を表す言葉です。一緒くたに捉えても問題はないと思います。
4.ドローンとラジコンヘリの違い
初心者が必ずぶつかる壁として、「ドローンとラジコンヘリの区別」があるかと思います。
ドローンは上述の通り、無人航空機です。
一方、ラジコンヘリも無人航空機ですから、ドローンの一種といえるかもしれません。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
それは、ラジコンヘリはラジオコントロール、つまり無線操縦できるヘリコプターに限定されます。しかし、ドローンはその操作方法は限定されません。たとえばスマホでも操縦できますし、GPSなどを利用して自動飛行させることも可能です。この点からいうと、ドローンとラジコンヘリには大きな違いがあると言えます。
5.ドローンとマリリン・モンロー
ドローンが元々は軍事技術だったことは上述の通りです。当時は「ターゲット・ドローン」と呼ばれ、飛んでいる飛行機を撃ち落とすための訓練用に開発されました。
そんなターゲットドローンの製造工場で働いていたのが、後の大女優「マリリン・モンロー」でした。彼女はプロペラを取り付ける作業員でした。そして彼女が19歳の時、そのドローン製造工場で働く人たちの写真が陸軍の広報紙に掲載されると「この綺麗な子は誰だ!」と、マリリン・モンローはスカウトの目にとまります。それからの軌跡は皆さんご存知の通りです。彼女は映画スターへの道を歩み始め、後に「永遠のセックスシンボル」と呼ばれるに至ります。
そうなんです。
もしドローンがなかったら、永遠のセックスシンボルは永遠に生まれなかったのです。
6.軍事技術「ドローン」は封印すべき?
確かに、ドローンは軍事用として開発され、今でも戦地で利用されたりしています。しかし、それは飛行機も同じです。飛行機もまた、軍事用と旅客機がありますが、だからと言って飛行機を批判する人はいません。
そもそも、私たちの身の回りには、当初は軍事目的で開発されたものが多くあります。例えばサランラップなどの「ラップフィルム」や「ティッシュペーパー」。
まず、「ラップフィルム」ですが、これは元々は第二次世界大戦中に弾薬や銃を湿気から守るために開発されたもので、兵士の靴の中敷きや、蚊帳の代わりとしても重宝されていました。 そして「ティッシュペーパー」はと言うと、時は第一次世界大戦、戦争により不足していた脱脂綿の代わりとして開発され(当時の呼称は「セルコットン」)、その後、その吸収力が評価され、兵士のガスマスク用フィルターとして利用されます。
あまり知られていませんが、軍事目的で開発され、私たちの生活に欠かせなくなった必需品は意外と多いのです。
ですから、ドローンの危険性ばかりを取り上げて、何か事件があればすぐ規制するような短絡的な行動にでず、将来享受しうる恩恵についてもしっかりと考えて、建設的な議論をするべきと思うのですがいかがでしょう。