ここに注意!ドローン墜落の5大原因
2015年はドローン墜落の事故が相次ぎました。
4/22 首相官邸の屋上にて、官邸職員がドローンを発見
4/24 東京MXテレビ関係者の操縦するドローンが、英国大使館敷地内に墜落していたことが発覚
5/9 御開帳の善光寺境内で、ドローン落下
9/19 世界遺産・国宝の姫路城で、大天守6階南面にドローンが衝突
9/27 前橋市の「第5回まえばし赤城山ヒルクライム大会」のスタート会場付近で、撮影業者のドローンが落下し炎上
10/10 横浜市中区で開催されていた海上自衛隊のイベントで、潜水艦救難艦「ちはや」の甲板に落下
10/20 広島・尾道の山陽新幹線軌道敷地内で墜落したドローンが見つかる
ところで、なぜドローンは墜落するのでしょう。
4/22の首相官邸の件は墜落ではないにせよ、他はすべて意図しない墜落です。
おそらく操縦者も、まさか墜落するとは思っていなかったはずです。
そこで今回は、代表的な墜落の原因をいくつかのパターンに分けてみました。
これを読んで、墜落を未然に防ぎましょう!
目次
1.操作スキル不足
ドローン墜落の最大の原因は、操作スキル不足です。
YOU TUBEなどを見ていると、ドローンを購入してすぐに街中で飛ばし始める人がいます。最近は容易な操作性を売りにしたドローンもありますが、ほとんどの機種は、自分の想像通りに飛ばすにはそれなりの練習を必要とします。
前回も書きましたが、前進や後退、8の字飛行はもちろん、ハンドキャッチのマスターは必須です。充分に練習を積み、必要に応じて講習会などでレクチャーを受けましょう。これらもできない段階で、街中でドローンを飛ばすのは言語道断です。必ず操作スキルをあげましょう。
また、飛行中のドローンは外部衝撃に非常に弱く、羽がわずかに接触しただけで制御を失い墜落することもあります。電線の近くを飛行させないのはもちろん、木々をすり抜ける、建物への異常接近などは控えましょう。操作位置からは大丈夫に思えても、突風により激突することもあります。君子危うきに近づかず。少しでも接触の可能性がある場所での撮影はやめましょう。
最初は広くて安全な敷地で、高度1〜5mくらいの範囲での練習をお勧めします。
ぜひ充分な練習を積み、安全な撮影を心がけて下さい。
2.バッテリー切れ
ドローン墜落の原因として、意外と多いのがバッテリー切れです。現在のテクノロジーでは、ドローンに搭載可能なバッテリー容量は、ホビー用で15~20分、商業用で30~40分程度です。また、バッテリーには寿命があり、使えば使うほど劣化します。購入当初は20分程の飛行が可能だったとしても、その飛行時間はどんどん短くなっていきます。また、冬場など気温が低いときには、バッテリーは充分な出力が果たせず、飛行時間も短くなります。使用年月や気温を念頭に、バッテリー残量には充分に注意をしましょう。
一方で、初心者はドローンの操縦に夢中になりすぎて、ついついバッテリーへの意識がなくなってしまいがちです。電池残量が少なくなると、帰還できなくなったり、その場で制御不能に陥ったりと、墜落のリスクが急激に高まります。飛行環境や飛行距離、高度にもよりますが、バッテリー容量の半分を使用したら、基本的には帰還の準備を始めましょう。
3.風
ドローンにとって風は天敵です。最近は、ある程度の風なら安定飛行するドローンも流通し始めていますが、それでも風の有無により操作難易度はまるで変わります。
また、風は高度により、向きや強さがめまぐるしく変化します。地上では無風に感じても、上空では強風が吹き荒れていることもしばしばあります。少し高度を上げただけで突風に煽られ、制御を失い墜落する。そんな事例は後を絶ちません。大きな事件を起こしてからでは手遅れです。専門的知識のない人は低い高度を維持しましょう。
4.通信ロスト
コントローラーと機体の距離が離れすぎると、突然電波をロストして制御不能に陥る場合があります。この現象の恐ろしい所は、何の予兆もなく、突然制御できなくなることです。制御不能になると、墜落の可能性は急激に高まります。入門者は、まずはあまり遠くまで飛ばさないことを心がけましょう。
一方で、最近のドローンにはGPSを使って自動で帰還する機種もあります。PhantomシリーズやInspire 1がその代表機種ですが、それらは機体がコントローラーの信号をロストすると、自動で離陸ポイントまで帰還する機能を搭載しています。
しかし、近頃はこうした機種が墜落するケースも目立っています。機体を見失うと、意図的にコントローラーの電源を切ってしまうユーザーが増えているからです。自動帰還の機能を過信して、コントローラーの電源を切る行為は本当に危険です。自動帰還機能は、GPSが不安定な場所では作動しないこともあります。最悪、ドローンは風に流されて、そのまま操縦不能に陥ります。ですから、仮に機体を見失っても、決して焦ってコントローラーの電源を切ったりせず、アプリ画面で機体の方角と位置を把握するようにしましょう。
5.モーター・アンプの故障
ローターを回すモーターは、故障の原因になりやすいパーツです。また、ホビー用ドローンのモーターに至っては、ブラシレスモーターと呼ばれるタイプの搭載が一番多く、メーカーによっては品質が均一ではありません。そのため、耐久性に難があるものも紛れていることがしばしばあります。こうしたモーターの利用は、飛行中に突然モーターが停止し、機体のバランスが崩れて墜落してしまうことがあります。
また、ホビー用ドローンでは、アンプのトラブルも目立っています。アンプとはモーター部分に電流を送電する部品ですが、中国製のアンプは100時間未満で故障すると言われています。最も多いのが、飛行中に突然アンプが焼き切れるトラブルです。このトラブルは、そのままプロペラが停止して墜落することもあります。特に中国製のアンプは、定期的に交換することで墜落を未然に防ぐことが可能になります。
6.まとめ
ドローン墜落、といっても、その原因は様々です。しかし、結局の所は「しっかり練習する」「しっかり知識を身につける」「しっかり機器をメンテナンスする」の3つに尽きます。どれも当たり前の話ですね。
墜落という事故が、墜落という事件になってからでは手遅れです。どんどん「不当」とも言える締め付けが厳しくなります。それぞれが自分のレベルにあった飛行で撮影を楽しみ、日本のドローン業界を皆で健全に発展させましょう。