ドローンをプロポで操作する際、絶対知っておきたい「モード」の違い
ドローンをプロポで操作するにあたり、まず最初にぶつかる壁が「モード」の設定です。
プロポ?モード?
この言葉ですでに戸惑ったあなた。すぐにドローンを置きましょう。車で言う「アクセルとブレーキを踏み間違えた」的な事故を起こします。
というわけで、今回はドローン操作の基本中の基本をまとめてみました。
目次
- プロポとは
1-1.プロポとは
1-2.日本で使っていいプロポ - モードとは
2-1.モード1と4
2-2.モード2と3 - こんな人には「モード1」がおすすめ
- こんな人には「モード2」がおすすめ
- まとめ
1.プロポとは
1-1.プロポとは
プロポとはドローンの送信機のことです。「プロポ-ショナル・システム(比例制御)」の略称で、簡単に言えば「操作に比例して動かすことのできる無線操縦装置」のことです。
といっても、「プロポ」を「プロポーショナル・システム」と呼ぶ人はいません。また時折「リモコン」と呼ぶ人がいますが、初心者感が漂うのでやめましょう。「プロポ」は「プロポ」です。
ただ、海外では「プロポ」では通用しません。一般には「Transmitter(送信機)」や、その略称である「Tx」などと呼ばれます。
1-2.日本で使っていいプロポ
プロポは無線通信にてドローン本体を操縦するため、電波法の規制対象となります。そのため、日本でプロポを使うには、基本的には技適マークの付いたプロポに限られます(技適マークがないプロポの使用には、免許または申請などが必要です)。初心者は必ず技適マークの有無を確認してプロポを選びましょう。
ちなみに、国内向けに販売されているプロポはほぼ間違いなく技適マークは付いています。しかし、ネット通販などで販売されている海外メーカーの一部には、日本と無線事情が異なるため技適マークのないものも多数あります。そして問題となるのが、日本の電波法では、技適マークのない無線機を販売することは規制しておらず、使用することを規制しています。そのため、技適マークの付いていないプロポを購入して使用した場合、その責任は全てユーザー側が負うことになります。
知らなかった。
では済みません。必ず技適マークの有無は確認しましょう。
2.モードとは
モードとは、プロポの操作方法です。モード1~4まで存在し、それぞれのモードでスティックを動かした時の機体の挙動が変わってきます。主流はモード1とモード2ですが、まずはそれぞれの詳細を見てみましょう。
2-1.モード1と4
モード1は、日本のラジコン業界で最もスタンダードとされている操作モードです。
《モード1の操縦仕様》
左スティック:上下→前進後退(エレベーターまたはピッチ)、左右→左右旋回(ラダーまたはヨー)
右スティック:上下→上昇下降(スロットル)、左右→左右移動(エルロンまたはロール)
そしてモード4は、モード1の左右のスティック操作を反転させた操作モードです。左利き用として用意されているモードですが、左利きの人でも利用している人はごくわずかです。
2-2.モード2と3
モード2はラジコン飛行やドローンの操縦において、ワールド・スタンダードな操作モードです。つまり日本以外では標準的な操作モードです。
《モード2の操縦仕様》
左スティック:上下→上昇下降(スロットル)、左右→左右旋回(ラダーまたはヨー)
右スティック:上下→前進後退(エレベーターまたはピッチ)、左右→左右移動(エルロンまたはロール)
そしてモード3は、モード2の左右のスティック操作を反転させた操作モードです。左利き用として用意されているモードですが、世界的に見ても利用している人はごくわずかです。
3.こんな人には「モード1」がおすすめ
日本オリジナルの「モード1」は、上述の通り、日本のラジコン業界で最もスタンダードとされている操作モードです。そのため、日本で操作方法を教わる教室等に通う予定がある人には、モード1をおすすめします。というのも、ドローンの操作に長けている人はラジコンヘリの経験者が多く、モード1でドローンを操作する人が多いからです。
ドローンの操作を学びに行くのに、師匠と異なるモードで学ぶなんてあり得ませんからね。
4.こんな人には「モード2」がおすすめ
モード2は世界標準の操作方法です。したがって、これから独学でドローンを学ぶ方は「モード2」がおすすめです。
また、以下の理由からも「モード2」は推奨できます。
4-1.操作が直感的
まず、モード2の操作は直感的で理解しやすいことがあります。
ファミコンやプレステの十字キーを思い出してください。1つのスティックで上下左右の動きが可能ですよね。感覚的にはあれに似ています。
モード2では、前後左右の移動が右スティックに、上下と回転(旋回)が左スティックに割り当てられています。そのため、ドローンを上から見下ろした際、平面上の前後左右の動きが右スティックのみで可能となり、左スティックで操作する上下方向の移動(3次元的移動)と切り分けることができます。
これは非常に大きな利点です。移動と高度の管理が別々にできるので、操縦時に混乱することが少なくなるのです。
4-2.飛行機やヘリコプターの操縦法に近い
また、モード2は飛行機やヘリコプターなど、実機で採用されている操縦方法に非常に近いことも理由の一つです。
航空機等の事故は死亡事故につながる可能性が高いため、その操縦には非常に厳しいチェックや検査、検証がなされています。操縦方法もその一つで、航空機などには今考えられるベストが導入されており、さらにパイロットによる操縦性の評価も重ねられています。
つまり実機と同じ操縦方法であることは、最適な操縦性を備えていることになります。
したがって、航空実機のパイロットになりたい人はもちろん、これからドローンを始めようとする方は「モード2」を選択するべきでしょう。
4-3.海外製品では、そもそも「モード2」しかない
当然ですが、ドローンのメーカー数は日本より海外の方が多くあります。そのため、そもそも「モード1」がないドローンはたくさん存在します。顕著なケースは、200g未満のトイドローンです。かなりの確率で、モード2しか選べません。
こうした理由からも、やはり「モード2」で慣れておくべきでしょう。
5.まとめ
ドローンの操縦には4つのモードがありますが、主流は「モード1」と「モード2」です。
(モード3はモード2の反転バージョン。モード4はモード1の反転バージョン)
モード1は日本独自のモードです。
日本でドローン教室などへ通う予定のある方は、講師がラジコンヘリ経験者である可能性が高いので、「モード1」を選択した方がよいでしょう。
モード2は世界標準的な操縦方法です。
これからドローンを始める方は、「モード2」を推奨します。
理由は3つ。
- 直感的な操作性
- 操縦方法が実機に近い
- そもそも海外製のドローンには、モード2しかないものもある
最近では、モード1は「ガラパゴス」と揶揄されていますが、ケータイの世界では「ガラケー」が未だに高い需要があるのも事実です。もちろん、モード2を推奨することに変わりはありませんが、人間には向き不向きもあります。まずは実際にプロポを手にして、試してみることをお勧めします。
ではまた、近いうちにお目にかかります。
今年は酉年。
ぜひ一緒に、ドローンで大空を飛び回りましょう!
検索ワード『ドローン 使い方』ではヒットしない!?ドローン未経験者が気になる3つのコト
いよいよドローンも手軽に楽しめるこの時代。
しかし、まだドローンを触ったことがない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ドローン未経験者の方に向けてお届けします。題して、「検索ワード『ドローン 使い方』ではヒットしない!?ドローン未経験者が気になる3つのコト」。
記事中では、実際にDJIのPhantom 4(ファントム4)を使っていますので、まずはファントム4とはどんなドローンなのかを解説しますね。
ファントム4は、2006年に香港学生寮で生まれたドローンメーカー「DJI」社のドローンです。発売は2016年3月2日。「DJI史上最もスマートなフライングカメラ」と同社が謳っている通り、実に優れたドローンです。最大の特徴は、そのホバリングの正確さです。先進のステレオビジョンポジショニングシステム(VPS)採用により、GPSがない場合でも本当に正確にホバリングできます。また、ジンバルも非常に高性能なため、初心者でもブレの少ないとても美しい撮影が可能です。
また、Phantom 3 Professionalと比べて飛行時間が25%向上し、最大28分の飛行が可能となりました。Phantom 4の内蔵HDビデオダウンリンクなら、最大3.5km離れていてもHD720pでの映像確認が可能です。
初心者でもすぐに美しい映像を撮りたい。そんな方に是非使っていただき機種なわけですが、今回はそのPhantom 4で色々と実験してみました。
1.操縦中に○○!どうなる?
最近のドローンは、スマホやタブレットを使ってドローン本体と通信します。DJIのPhantom 4(ファントム4)もそんな仕様です。もちろん、アプリは無料。たいていの人は5分もあれば、お手持ちのスマホがコントローラーに早変わりすることでしょう。
そうなんです。最近のドローンのコントローラーはスマホ・タブレットなんです。ですから、飛行中に着信があったらどうなるのか不安ですよね。ドローンの操縦が一切きかなくなってしまうのか。あるいは、本体との通信が切れてしまい、RTH(リターントゥホーム;自動でホームポイントに帰還する機能)が作動するのか。はたまた、電話が勝手に「圏外モード」になってしまうのか。
そこで、私たちがやってみました。結論を言いますと、ドローンの飛行中に電話が鳴っても、ドローンの操作に一切影響はありません。何ら途切れることなく、ドローンの操縦は可能です。また、望んでもないRTH機能も作動しません。スマホの画面も、ドローンからのリアルタイムの映像が流れ続けます。ただ、そのリアルタイム映像の上に「誰々からの着信」と表記されるだけです。
では、通話はできるのでしょうか。
実は、ドローンの操縦中に通話はできます。自動車は運転中の通話を厳しく取り締まっていますが、現在はドローン操縦中の通話は法律で禁止されていません。したがって、車では味わえない運転中の電話は、ドローンなら可能です。(ただし、ドローンの操縦は非常に難しいので、初心者は決してまねしないで下さい)
2.操縦しながらの○○!できる?
「Selfie(セルフィー)」
これは2013年11月に、オックスフォード英語辞典による「今年の言葉」に選出されたワードです。日本語では「自分撮り」、つまり「自撮り」を意味します。
自撮りは世界中の人間を虜にしています。2014年には、ポルトガルはロカ岬の断崖絶壁で自撮りをした人が、撮影に夢中になって崖から転落死していますし、拳銃を自分の頭に当てて自撮りした男性が、銃を誤射して死亡してしまった事故も起きています。
なぜ人間は、こんなにも自撮りに熱中するのか。それは、一般的に自撮りは構図を確認することができないからです。ファインダーで構図を確認できないから、上手に撮ることは困難です。困難なことに、人間は果敢に挑戦しがちで、夢中になってしまいがちです。
そこで提案したいのが、ドローンを使った自撮りです。ドローンを使った自撮りなら、構図を確認できます。ですから、事故のリスクが(多少は)軽減できると思います。実際に、ドローンを操縦しながら自撮りができるかやってみました。
向かって左側の男性が、ドローン初心者パイロット。この写真を撮影した日が、初めてドローンを触った日です。様子見を兼ねてということもあって、最初はドローンとの距離は3mほど。安全距離だとわかっていても、残念ながらカメラに向かって笑う余裕はありません。最初はおそらくそんなものでしょう。しかし、すぐに慣れてきます。
この時のドローンとの距離が、およそ1.5m。自撮り棒を使用した写真が、ちょうどこのような雰囲気でしょうか。この距離なら、操縦者も安心して撮影できます。もちろん2枚目ということもあって、この写真では操縦者もカメラ目線ですが、もっとドローンを寄せてみると……・
正直この距離になると、ドローン初心者は余裕がなくなります。とにかく近い。気を抜くとプロペラで顔が切られるような気になります。もう、顔は作り笑いです。プロペラの音がブンブンしますし、顔に強い風があたります。したがって、ヘアスタイルを非常に気にする方は、ここまで至近距離での自撮りはお勧めできません。
とはいえ、ドローンに少し慣れれば、自撮りのクオリティは格段に上がるはずです。何と言っても、手元のスマホで構図が確認できるのですから。それに、自撮り棒も高級な広角レンズも不要なのですから。
3.初フライトで一番肝心。それは、○○!
あらゆる大人が、全員「子供」を経験しているように、あらゆるドローンパイロットは、全員「初心者」を経験します。そのとき一番必要となるのは、おそらく安全に対する知識と社会人としての常識でしょう。では、初フライトで肝心な物はというと、実はそれは「度胸」です。
ほとんどのドローン初体験者は、最初は電線くらいの高さまでドローンを飛ばすと、とても満足げな顔をします。別にそれが問題なわけではありません。操縦者の位置とドローンの距離が近ければ近いほど、重大な事故が起こる確率は低くなります。
しかし、それで満足していてはドローンが泣きます。というわけで、ドローン初フライトで一番肝心なもの、それは「度胸」です。特にPhantom 4には充電が少なくなったりしても自動で帰還する機能(RTH)が備わっていますから、よほどのことがない限り大丈夫です。
少し慣れたな。と思ったら、ぜひ思い切って、違法にはならない範囲で高く上げてみてください。最初は本当に「度胸」が必要ですが、すぐに慣れます。そして、誰にでも必ず感動する映像が撮れます。男は度胸。女も度胸。ドローンパイロットも度胸。
怖がらず、しかし慎重に、ドローンの世界を楽しんでください。
4.まとめ
では、最後におさらいです。簡単にまとめてみましたので、ドローン初心者の方はもう一度刻み込んでください。
操縦中に着信!どうなる?
A.ノープロブレム。何の心配もありません。着信は操縦に全く影響を与えず、通話も可能です。
操縦しながらの自撮り!できる?
A.できます。ただし、アップの撮影は正確にホバリングできないと予期しない事故が起こるかもしれません。ご注意ください。
初フライトで一番肝心。それは何?
A.度胸です。ただし、無謀と度胸は全く別物であることを認識した上で、安全に飛行させましょう。
以上が、「ドローン」「使い方」で検索しても、答えが出てこない3つのコトです。
すべてのドローン初心者が、まずは中級者になれることを祈っています。
では皆さん、また近いうちに会いましょう。
ドローン技術者が高給取りに? 来春、日本初のドローンの高校が開校!
日本初となるドローンの高校として、バンタン高等学院の新コース『ドローン&ロボティクス専攻』が2017年4月に開校します。また、それに先立って、2016年10月には18歳以上を対象とした「ドローンパイロット&空撮コース」が開設されました。
しかし、今なぜ「ドローンの教育」なのでしょう。その理由を調査してみました。
1.ドローン・マーケット規模
シード・プランニングによると、2015年のドローン産業の市場規模は38億円だったのに対し、2020年にはその17倍の634億円、2024年には2,271億円にまで成長すると予測しています。
https://japan.techrepublic.com/article/35082708.htm
(グラフのそのまま転載)
スキー場が560億円規模、宅配ピザやマッサージの市場規模が2,500億円規模ですから、いかにドローン産業が大きなマーケットかはお分かりいただけるかと思います。
また、昨今の報道のとおり、ドローンは災害時などの活躍にも期待されています。現在では、ドローンサービスのマーケット規模は農業部門が大部分を占めていますが、2018年には整備・点検など農業以外の分野における利用が相当大きな割合となることが予想されています。
(シードプランニング提供 のグラフ)
ところで、ここまで巨大産業となる見込みがあれば、もちろん企業はその分野に投資します。そして、その分野に強い人材を求めます。ドローンの高校が開校されるのは、その観点から言えば当然の流れなのかもしれません。
しかし、ドローンと一言で言っても、そのマーケットはいくつかに細分化できます。そこで次章では、ドローンマケーットを3つの領域に分けて、具体的にドローンマーケットを分析してみようと思います。
2.ドローン・マーケットの3つの領域
一般的に、ドローン・マーケットは「機体市場」「サービス市場」「周辺サービス市場」の3つに分けられます。
2-1.機体市場
機体市場とは、業務用として完成されたドローン機体を販売するマーケットです(ただし軍事用は除く)。金額ベースでは、2024年には現在の売上規模の約7倍に成長すると言われています。その中でも、10万円以上100万円未満の普及モデルと100万円以上の高級モデルとを比較すると、現在は6:1で普及型モデルの市場規模の方が大きいですが、2024年もその比率はさほど変わらないまま、金額が7倍ほど伸びるようです。
2-2.サービス市場
サービス市場とは、ドローンを活用した業務等のサービスを提供する領域です。金額ベースでは、2020年には現在の売上規模の約11倍に達すると言われています。空撮や農薬散布を代表とする農業部門など、今でも一部の市場は確立・定着していますが、今後は測位技術や群制御技術など、ドローン関連技術の開発・実用化に支えられ、精密農業や物流、あるいは橋梁の検査・測量、防犯監視など、多岐にわたりサービス市場は拡大すると見込まれています。
2-3.周辺サービス市場
周辺サービス市場とは、バッテリー等の消耗品の販売、人材育成や任意保険、定期メンテナンスなどが該当する領域です。金額ベースでは、2020年には現在の売上規模の約22倍にまで伸びると言われています。この領域(特に保険やメンテナンス)は、機体の稼働台数に比例して顕著に拡大すると予測されています。
3.企業が欲しがる人材
市場が拡大する過程においては、必ず解決すべき課題が露出してきます。そして課題が露出すれば、それを解決できる人材が必要となります。
例えば、業務利用においては、現在は農薬散布や土木測量・空撮が主です。しかし、今後は既存市場の拡大に加え、点検などへの利用も検討されるでしょうし、あるいはどのように新市場を立ち上げるかも課題となるでしょう。
技術についても同様です。現在はドローン関連技術の研究開発及び実証実験の段階ですが、今後は測位技術などの実用化や、群制御・衝突防止などの技術の向上が必要となってきます。
ドローンは急成長が見込まれる市場ですから、当然ドローン活用の重要性と注目度は飛躍的に高まります。そして、そうなると必然的に人材市場におけるドローン技術者の数は不足しますし、一方で確かな知識を持つドローン技術者の企業の採用ニーズはいっそう高まります。
では、どのような専門的知識・技術を有する人材を企業は欲しがるのでしょうか。
以下に四つのキーワードでまとめてみました。
3-1.ドローンの操縦
ドローンの操縦や整備・点検の技術など、基本的なスキルを体得しているだけでも、現在では非常に重宝されています。また一方で、ドローンを扱うのには航空法や電波法といった法律、及び安全運行の知識は欠かせません。したがって、こうした基本的なスキル、及び知識の習得は非常に重要となってくるでしょう。
3-2.プログラミング
ドローンの利用シーンが拡大されればされる程、ドローンの制御は重要になってきます。そのため、ロボット制御の理論やソフトウェアの機能拡張に必要となるプログラミングやAIについての技術・知識を持つ人間は、今後社会的に求められるものと予測されます。
3-3.テクノロジー&デザイン
ドローンの機体数が爆発的に増加すれば、プロダクトデザイナーも広く求められます。そのため、CADが扱えるか否かは重要となるでしょう。また、空撮を取り入れた新しい映像演出をはじめ、映像の編集技術は一層高度なものが求められることとなるでしょう。
3-4.ロボット工学
ドローンはロボットの一種とも言えます。そこで、ロボットづくりのベースとなる機械、電子、制御、情報などについての技術や知識は、今後ますます求められることでしょう。
4.まとめ
ドローン産業の成長により、ドローンのパイロット・空撮カメラマン・映像ディレクターという仕事は今よりも格段に増えます。また、機体をデザイン・設計・製造する仕事も増加するため、エンジニアを始めとし、ロボットクリエイター・エンジニア・デザイナー、そしてプログラマも多く求められることでしょう。
ドローンの産業は、いま最も注目されているマーケットの一つです。ですから、その領域で活躍できる人が当然求められるわけです。おそらく日本初となるドローン専門の高校が開校されるのも、そうした未来を見据えてのことでしょう。
ドローン・マーケットには夢がつまっています。いかがでしょう。高給取りを目指して、今からハイレベルなドローン技術者を目指す。それもまた、悪くない選択かもしれません。
ARドローンの操縦とカメラ
低プライス高パフォーマンスのARドローン。このシリーズの特徴は、開発者向けにSDKが提供されていることです。これにより、誰もがドローンを操縦するアプリケーションを開発することができ、そういうこともあってか、ARドローンの操縦は非常に直感的で使い易いと評判です。
そこで今回は、その直感的「操縦方法」と、ARドローンのもう一つの大きな魅力「カメラ」についてまとめてみました。
目次
1.操縦の概要
参考:Parrot
パロットARドローン最大の画期的特徴は、やはりワイヤレスネットワークを導入したその操縦方法でしょう。AppleのデバイスにAR Free flightアプリをインストールすれば、iPhoneや iPod、iPadはコントローラーに早変わり。さらにその操縦は非常に簡単で、Appleデバイスコントローラーを傾けるだけで方向転換でき、タッチパネルを使用して速度調整ができます。唯一の注意点と言えば、機内モードに設定する必要があることくらいでしょうか。
構造上の特徴は、多くのセンサーが機体下部にあり、操縦の支援や管理を行っている点です。これらは、機体下部に設置されているハイスピードカメラと連携して作動するミニ慣性計測ユニットシステムに含まれ(この慣性測定は、海上で船がバランスをとる為に使用されているシステムと同じ)、X軸、Y軸、Z軸の動きを測定し、飛行中の安定性を高めています。これがワイヤレスネットワークでの機体操作の実現に役立っているシステムです(なお、ミニ慣性計測ユニットシステムなどの内蔵技術は、機体の操縦と衝突後の制御を簡単にできる様に設計されています)。
2.操縦の手順
パロットARドローンを楽しく飛行させる為の手順は以下の通りです。
- コントラーデバイスとドローンの充電がされているか確認する。
- コントラーデバイスにAR free flightアプリをインストールする。
- Appleコントローラーデバイスを「機内モード」に切り替える。
- ドローンの電源を入れ、ワイヤレスネットワークが有効か確認する。
- コントローラーデバイスのWi-Fiをドローンのワイヤレスネットワークに切り替える。
- ドローンのワイヤレスネットワーク範囲内で、コントラーデバイスのAR free flightアプリを起動させると、自動的に同期される。
- デバイスコントローラーの画面の中央下部にある起動ボタンを押すと起動する。起動後、自動的にパロットARドローンヘリコプターが少し上昇し、待機する。
- 操縦する。
※ARドローンの操縦は非常に容易です。また、飛行を開始すると地上約1メートルの高さででホバリングをします。この間、一切操作を行わなくてもジャイロセンサーを使って自動で姿勢制御を行ってくれるので安心です。
それでも、練習をせずに街中などで飛ばすのは控えましょう。事故のもとです。まずは広い場所で8字走行などを実際に試しましょう。
3.カメラ
ARドローンの魅力はカメラにもあります。頭部と下部に2つあり、この2つのカメラがドローンの操作において非常に重要な役割を担っています。実は、ARドローンの2台のカメラは、人間の両目に相当します。おもしろいのは、人間の目が脳へ信号を送るのと同じように、カメラが映像を制御装置へ送るという設計がなされていることです。
そうなんです。ARドローンは飛行体で映像を見るだけではなく、人間に近づける事で更なる安定性を目指しているのです。
そこでこの章では、2台のカメラの性能について見てみます。
3-1.フロントカメラ
毎秒60フレームの速さで、176×144ピクセルの解像度の映像をAplleデバイスのコントローラへ送信します。また、広角レンズにより広範囲の眺めを実現。iPhoneで見られる映像の品質と範囲は、利用者に「コクピット内のパイロット」を感じさせ、実際に飛行機の操縦をしているかの様な体験を与えます。
3-2.ボトムカメラ
毎秒15フレームの速さで、640×480ピクセルの解像度の映像を撮影する事ができます。このカメラの主な機能は、機体の速度を決定する内蔵センサーに情報を送信し、飛行中の機体を安定させる支援を行うことです。ちなみに、これは継続的に行われています。というのも、飛行中の安定性はドローンの操作にとても重要となるからです。
3-3.総括
パロットARドローンの2つのカメラは、究極の飛行経験に貢献する相乗作用を見込んでおり、別々には作動しません。高速カメラはスピードを決定すると共に安定性を補助するセンサーに情報を送信しており、2つのカメラで映像を送信する事でスピードをコントロールしています。
4.まとめ
最近、パロット社はARドローンの後継上位モデル「Bebop Drone」を発表しました。14Mピクセル相当でHD動画、視野角180度の撮影を可能にしたカメラを搭載。さらに、デジタル処理による手ブレや左右の傾きを安定化する機能が追加され、ますます高性能となりました。
コストパフォーマンスが高いパロット社のドローン。これからも目が離せませんね。
ARドローンとDJIファントムの比較
ここ最近、ドローン人気が凄まじいですね。2年前の2014年当時では、ここまで一般的になるとは全く思いもしなかっただけに、正直少し驚いています。
2014年のドローン・トピックスと言えば、私の中ではOK Goのミュージック・ビデオです。彼らのPVは毎回ユニークな構成なのですが、2014年にアップされた「I Won’t Let You Down」を見たときには、ドローンを使うとこんな動画が撮れるんだ!と、驚き、ドローン撮影などはどこか遠い世界の話だと思ったものでした。
しかし、それから約2年。今ではドローンの撮影はとても身近で一般的です。理由はいくつか考えられますが、やはり多種多様な商用アプリケーションの開発が、おそらく人気を得ている最大の理由でしょう。
アプリの開発会社は主に2つあります。一つは、一般人向けにARドローンのVer2.0をリリースしている「パロット」。
もう一つは、愛好家の為に10万円超えのドローン「ファントム3」を販売しているDJIです。
目次
1.ビデオ
近年のドローンにおいて最も重要な特徴は、高解像度のビデオ撮影が挙げられます。もちろん解像度が高ければ高いにこしたことはありませんが、HD以上あればクオリティー自体は低くはないでしょう。
そうした観点で見てみると、パロットARドローンもDJIファントム3も、両社ともにHDビデオカメラを搭載しています。ただ、ファントム 3は、Advancedには1080p HDカメラ、Professionalには4Kカメラを搭載。より鮮明で美しい映像を求めるならDJIファントムを選ぶべきでしょう。
2.GPS
ARドローンでは、GPS機能はオプションです。アマゾンで約12,000円ほどの「フライトレコーダー」を購入する必要があります。
このアプリ「フライトレコーダー」の素晴しい点は、操縦デバイスのマップ上で目的地をクリックし、高度と飛行速度を入力してGOボタンを押せば、ドローンが目的地まで最短距離で飛行することです。また、HOMEボタンを一回押すだけで、自律飛行して帰還します。
一方、DJIファントムでは、GPS機能や「帰宅」機能が初めから搭載されています。また、GPS と GLONASS を組み合わせれば、Phantom 3 は現在位置とユーザーとの関係を完全に把握し、より精密かつ正確な行動を可能にします。さらに、DJI GO アプリを介せば、ライブマップでカメラ位置をトラッキングし、離陸地点の記録もできます。これにより、指でタップするだけでドローンは手元に戻ってきます。
3.遠隔操作機能
2社の価格差は、操作性の違いが主な理由です。
パロットARは、フランスの研究者の協力を得て、パロットフリーフライトと呼ばれるiosとアンドロイド向けのアプリを開発。特にARパロット2.0はWiFi機能を有しており、スマートフォンやタブレットと接続できるだけでなく、HDビデオに映像を直接ストリーミングする事も可能です。
また、ドローンの操縦は携帯電話を前後左右に傾けるだけで行う事ができ、携帯ゲームの感覚で楽しめます。
一方、簡単で直感的な制御が特徴のファントム3。専用ボタンを使用することにより、「写真やビデオを撮影する」、「カメラを傾ける」、「機体を制御する」などが簡単かつ自然にできます。
4.充電
パロットの「ARドローン」とDJIの「ファントム」では、同じ距離を飛行する際に必要となる充電時間に差があります。
パロット製を25分充電して飛行した距離を、DJIファントムで飛行するには40分の充電が必要です。
DJIファントムは風の強い条件下でも優れた安定性を提供するため、パロット製に比べてやや重いからです。
とはいえ、ドローンの安定性に関しては、両社共に大きな問題ありません。また、交換部品はアマゾンで容易に購入可能です。
5.まとめ
ARドローンは3万円程度で購入が可能です。そして、GPSを用いたオートパイロット機能、予備のバッテリーやメモリーをUSBで補完するなど、いくつかの付加機能を追加していける仕様となっています。
受電時間:約90分
最大飛行時間:約12分
最大飛行速度:約18km/h
操縦可能距離:50m
フロントには1280×720画素/30fpsの高解像度で動画や静止画が撮れるHDカメラを搭載。広角レンズで記録でき(対角線画角92°)、動画の音声は無いが、H264圧縮の.MP4ファイルとして保存されます。
一方、ファントムはグレードがあるもののスタンダードの仕様は
重量:1216 g
最大上昇速度:5 m/s
最大下降速度:3 m/s
最大速度:16 m/秒 (ATTI モード、無風)
航行可能限界高度:6000m
最大フライト時間 :約 25分
カメラはSONY EXMOR 1/2.3”のセンサーを搭載。有効画素数は12.4Mpixel(総画素数は12.76Mpixel)、レンズは FOV94° 、20mm(35mm換算) f/2.8 です。
プロフェッショナルモデルでは、
重量 :1280 g
最大上昇速度:5 m/秒
最大下降速度:3 m/秒
最大速度:16 m/秒 (ATTI モード、無風)
航行可能限界高度:6000 m
最大フライト時間 :約 23 分
カメラはSony EXMOR 1/2.3” のセンサー搭載。有効画素数は12.4 M (合計ピクセル:12.76 M)。レンズはFOV 94° 20 mm (35 mm フォーマット同等) f/2.8、 ∞ フォーカス、最大静止画サイズは4000×3000。
ドローンは各社それぞれに特徴があります。ドローンを使って何を撮影したいか、どこへ行きたいか。それをしっかりと認識した上で、購入するドローンを決めることをおすすめします。
この記事があなたのお役に立てば光栄です。
ここに注意!ドローン墜落の5大原因
2015年はドローン墜落の事故が相次ぎました。
4/22 首相官邸の屋上にて、官邸職員がドローンを発見
4/24 東京MXテレビ関係者の操縦するドローンが、英国大使館敷地内に墜落していたことが発覚
5/9 御開帳の善光寺境内で、ドローン落下
9/19 世界遺産・国宝の姫路城で、大天守6階南面にドローンが衝突
9/27 前橋市の「第5回まえばし赤城山ヒルクライム大会」のスタート会場付近で、撮影業者のドローンが落下し炎上
10/10 横浜市中区で開催されていた海上自衛隊のイベントで、潜水艦救難艦「ちはや」の甲板に落下
10/20 広島・尾道の山陽新幹線軌道敷地内で墜落したドローンが見つかる
ところで、なぜドローンは墜落するのでしょう。
4/22の首相官邸の件は墜落ではないにせよ、他はすべて意図しない墜落です。
おそらく操縦者も、まさか墜落するとは思っていなかったはずです。
そこで今回は、代表的な墜落の原因をいくつかのパターンに分けてみました。
これを読んで、墜落を未然に防ぎましょう!
目次
1.操作スキル不足
ドローン墜落の最大の原因は、操作スキル不足です。
YOU TUBEなどを見ていると、ドローンを購入してすぐに街中で飛ばし始める人がいます。最近は容易な操作性を売りにしたドローンもありますが、ほとんどの機種は、自分の想像通りに飛ばすにはそれなりの練習を必要とします。
前回も書きましたが、前進や後退、8の字飛行はもちろん、ハンドキャッチのマスターは必須です。充分に練習を積み、必要に応じて講習会などでレクチャーを受けましょう。これらもできない段階で、街中でドローンを飛ばすのは言語道断です。必ず操作スキルをあげましょう。
また、飛行中のドローンは外部衝撃に非常に弱く、羽がわずかに接触しただけで制御を失い墜落することもあります。電線の近くを飛行させないのはもちろん、木々をすり抜ける、建物への異常接近などは控えましょう。操作位置からは大丈夫に思えても、突風により激突することもあります。君子危うきに近づかず。少しでも接触の可能性がある場所での撮影はやめましょう。
最初は広くて安全な敷地で、高度1〜5mくらいの範囲での練習をお勧めします。
ぜひ充分な練習を積み、安全な撮影を心がけて下さい。
2.バッテリー切れ
ドローン墜落の原因として、意外と多いのがバッテリー切れです。現在のテクノロジーでは、ドローンに搭載可能なバッテリー容量は、ホビー用で15~20分、商業用で30~40分程度です。また、バッテリーには寿命があり、使えば使うほど劣化します。購入当初は20分程の飛行が可能だったとしても、その飛行時間はどんどん短くなっていきます。また、冬場など気温が低いときには、バッテリーは充分な出力が果たせず、飛行時間も短くなります。使用年月や気温を念頭に、バッテリー残量には充分に注意をしましょう。
一方で、初心者はドローンの操縦に夢中になりすぎて、ついついバッテリーへの意識がなくなってしまいがちです。電池残量が少なくなると、帰還できなくなったり、その場で制御不能に陥ったりと、墜落のリスクが急激に高まります。飛行環境や飛行距離、高度にもよりますが、バッテリー容量の半分を使用したら、基本的には帰還の準備を始めましょう。
3.風
ドローンにとって風は天敵です。最近は、ある程度の風なら安定飛行するドローンも流通し始めていますが、それでも風の有無により操作難易度はまるで変わります。
また、風は高度により、向きや強さがめまぐるしく変化します。地上では無風に感じても、上空では強風が吹き荒れていることもしばしばあります。少し高度を上げただけで突風に煽られ、制御を失い墜落する。そんな事例は後を絶ちません。大きな事件を起こしてからでは手遅れです。専門的知識のない人は低い高度を維持しましょう。
4.通信ロスト
コントローラーと機体の距離が離れすぎると、突然電波をロストして制御不能に陥る場合があります。この現象の恐ろしい所は、何の予兆もなく、突然制御できなくなることです。制御不能になると、墜落の可能性は急激に高まります。入門者は、まずはあまり遠くまで飛ばさないことを心がけましょう。
一方で、最近のドローンにはGPSを使って自動で帰還する機種もあります。PhantomシリーズやInspire 1がその代表機種ですが、それらは機体がコントローラーの信号をロストすると、自動で離陸ポイントまで帰還する機能を搭載しています。
しかし、近頃はこうした機種が墜落するケースも目立っています。機体を見失うと、意図的にコントローラーの電源を切ってしまうユーザーが増えているからです。自動帰還の機能を過信して、コントローラーの電源を切る行為は本当に危険です。自動帰還機能は、GPSが不安定な場所では作動しないこともあります。最悪、ドローンは風に流されて、そのまま操縦不能に陥ります。ですから、仮に機体を見失っても、決して焦ってコントローラーの電源を切ったりせず、アプリ画面で機体の方角と位置を把握するようにしましょう。
5.モーター・アンプの故障
ローターを回すモーターは、故障の原因になりやすいパーツです。また、ホビー用ドローンのモーターに至っては、ブラシレスモーターと呼ばれるタイプの搭載が一番多く、メーカーによっては品質が均一ではありません。そのため、耐久性に難があるものも紛れていることがしばしばあります。こうしたモーターの利用は、飛行中に突然モーターが停止し、機体のバランスが崩れて墜落してしまうことがあります。
また、ホビー用ドローンでは、アンプのトラブルも目立っています。アンプとはモーター部分に電流を送電する部品ですが、中国製のアンプは100時間未満で故障すると言われています。最も多いのが、飛行中に突然アンプが焼き切れるトラブルです。このトラブルは、そのままプロペラが停止して墜落することもあります。特に中国製のアンプは、定期的に交換することで墜落を未然に防ぐことが可能になります。
6.まとめ
ドローン墜落、といっても、その原因は様々です。しかし、結局の所は「しっかり練習する」「しっかり知識を身につける」「しっかり機器をメンテナンスする」の3つに尽きます。どれも当たり前の話ですね。
墜落という事故が、墜落という事件になってからでは手遅れです。どんどん「不当」とも言える締め付けが厳しくなります。それぞれが自分のレベルにあった飛行で撮影を楽しみ、日本のドローン業界を皆で健全に発展させましょう。
ドローン空中撮影のためのヒントはこれ!
まるで鳥になって、大空の中のフライト撮影を可能にするドローン。その撮影機材の急速な普及もあって、空中撮影はますます注目を集めています。しかし、ドローンがいくら身近な存在になりつつあっても、初心者がいきなり綺麗な映像を撮影できるわけではありません。そこで今回は、空中撮影を成功させるためのヒントをいくつかまとめてみました。
目次
1.天気を選ぶ
空中撮影を成功させるための最大のファクターは、天気です。安定感がある映像は総じてクオリティが高く、反対にブレが酷い映像は、それだけで評価は下がります。しかし、空中は地上より風が強く、そもそもドローンは風の影響をとても受けやすいつくりです。したがって、どうしても風にあおられ、見るに耐えない映像になりがちです。
ですから、まずは天気を選びましょう。
正直、天気が悪い日の撮影は上級者でも困難です。風が強い日も同様です。ちなみに、目安となる風の強さは風速4m未満です。これを超えたら、ドローンでの撮影は断念することをおススメします。特に初心者の場合は事故のもとです。絶対にやめましょう。
なお、風(特に突風)は、昼から夕方にかけて起こる傾向にあります。したがって、もし条件が整うのであれば、撮影の時間帯は朝を選びましょう。
なお、最近は詳細な風速を教えてくれるアプリもあります。
tenki.jp
1週間分の風速・風の向きの予想も見れます。
これは他のアプリにはない、非常に優れた機能です。
こういったアプリも上手に使いつつ、最高の大空の中、撮影に取り組んで下さい。
2.ドローンを選ぶ
天気の次に重要な要因となるのが、使用するドローンの種類です。高価なドローンは小型で軽量、安定性にも優れていますが、一般に廉価版として流通しているのはクアッドコプターです。そして、クアッドコプターは安定性に苦しみがちなので、ジンバルにより制御を図ることになると思います。
ジンバルとは、カメラを安定化させる装置の呼称です。
カメラを直接ドローンに装着すると、ドローンの傾きや振動がそのままカメラに影響します。しかし、ジンバルを装着させれば、カメラの傾斜を水平に維持し、振動を吸収してくれるため、空撮時に不安定なショットがない動画の撮影が可能になります。また、優れたジンバルはカメラをパン・チルトでき、ドローンでの撮影を最大限支援します。
とはいえ、やはりおススメなのは、ヘキサコプターやオクトコプターにジンバルを設置することです。この組み合わせにより、多くの方が動画の撮影に成功しています。
3.カメラを選ぶ
当たり前ですが、撮影するのはカメラです。ドローンではありません。ですから、いくら高価なドローンを飛ばした所で、カメラが悪ければ高いクオリティは望めません。
というわけで、カメラもまた重要な要素となってくるのですが、まずはできる限り軽量のカメラを選びましょう。理由は、カメラの重量により飛行時間が大きく変動するからです。
まずお試しいただきたいカメラは、GoProです。GoProは空中撮影には最適です。軽い・キレイ・防水・アタッチメントが豊富という特徴を持ち、様々なシーンでキレイな動画が撮影できるとあって、テレビ撮影等でも活用されているアクションカムの大ヒットモデルです。
しかし、GoProによる撮影が最も美しいかと聞かれれば、それはYESとは言えません。やはり、GoProでは一眼レフのような再現は不可能です。映像にこだわりたい方は、一眼レフを搭載しましょう。
一眼レフでのおススメカメラは、GH-3あるいはキャノンの5Dシリーズです。これらは一眼レフの中でも軽量な部類です。ぜひ一度、ドローンのバッテリーをいくつか携えて、一眼レフによる空撮に挑戦してみて下さい。
きっと感動すると思いますよ!
4.練習する
美しい映像を撮るためには、やはり練習が必要です。ドローンが思い通り動かせなければ、空撮の成功はありえません。前進や後退はもちろん、8の字飛行などの操作も徹底的に練習しておくべきです。
そして、特に入念な練習が必要なのは、離陸と着陸の基本的操作です。安全な離着陸ができないと、空撮どころではありません。また、多くの方がハンドキャッチに手こずっているようですが、ハンドキャッチは講習会でレクチャーを受けるのがよろしいかと思います。それが一番手っ取り早く、確実です。
5.コツを知る
充分にドローンの操作ができるようになったら、次はカメラのアングルです。
入門者は、機体を操縦しながらカメラの映像を確認するのは至難でしょう。が、それは慣れです。特訓するしかありません。
とはいえ、初心者でも美しい映像を撮るコツはあります。
それは、録画中はカメラのチルトを動かさないことです。飛行中にチルトまで動かすと、映像はたいていブレてしまいます。アングルと飛行ルートを決めたら、カメラの角度も固定しましょう。その方が、確実に滑らかな映像に仕上がります。
カメラではなく、機体を動かして画角を変える。
これが入門者でも美しい映像を撮るコツです。
誰でも最初は上手にいきません。しかし、この5項目を意識するだけで撮れ高は格段に上がります。
ぜひドローンを楽しんで下さい!
今さら聞けない? ドローンとラジコンヘリ、そしてマリリン・モンローとの関係。
出典:http://stuffpoint.com/
最近、様々なメディアで「ドローン」という単語を耳にします。
しかし、多くの方はドローンとマルチコプター、UAV、UAS、さらにはラジコンヘリとの区別はついていないのではないでしょうか。また、ドローン・ファンなら絶対知っておくべきマリリン・モンローとの関係も、実は知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は「今さら聞けないドローン雑学」についてまとめてみました。
目次
1.ドローンとは
ドローンとは(明確な定義はありませんが)「小型の無人航空機」のことです。語源は英語です。起動音が蜂が飛んでる時の音に似ていることから、英語で雄のミツバチを意味する「drone」と呼ばれるようになりました。
元々は軍事用に開発され、偵察や爆撃、時には無人暗殺機として暗躍するドローン。しかし、近年では民間利用も増加傾向にあり、Amazon、Google、ドミノピザなどは商品の配達目的での運用を表明しています。また、ホビー用の安価な既製品も多く販売され始め、空撮などを個人で楽しむ方も増えています。
2.マルチコプターとは
マルチコプターとは3つ以上のローターを搭載した回転翼機のことで、ヘリコプターの一種です。「マルチローターヘリコプター」や「マルチローター」とも呼ばれています。「トライコプター」「クアッドコプター」「ヘキサコプター」「オクトコプター」などの呼称がありますが、それらはモーターの数に応じて変わります。
ちなみに、「トライは3つ」「クアッドは4つ」「ヘキサは6つ」「オクトは8つ」なのですが、なぜ「クアッド」だけラテン語なのかは分かりません(他はギリシャ語)。
少し話がそれてしまいましたが、上述の通り、マルチコプターは形状を示す名称です。一方、ドローンは無人飛行機全般を意味する言葉です。したがって、有人の回転翼機はドローンではないマルチコプターですが、無人飛行が可能なマルチコプターは、すべてドローンということになります。
3.UAVとUAS
ドローンに関する記事を読んでいると、時折「UAV」や「UAS」といったワードに出くわすことがあると思います。
UAVとは、「Unmanned Aerial Vehicle(無人航空機)」の略で、無人飛行機を意味します。要するに、ドローンのことです。
UASとは、「Unmanned Aircraft Systems(無人航空機システム)」の略で、FAA(アメリカの連邦航空局)ではドローンをそう呼称しています。
要するに、ドローンもUAVもUASも、無人航空機を表す言葉です。一緒くたに捉えても問題はないと思います。
4.ドローンとラジコンヘリの違い
初心者が必ずぶつかる壁として、「ドローンとラジコンヘリの区別」があるかと思います。
ドローンは上述の通り、無人航空機です。
一方、ラジコンヘリも無人航空機ですから、ドローンの一種といえるかもしれません。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
それは、ラジコンヘリはラジオコントロール、つまり無線操縦できるヘリコプターに限定されます。しかし、ドローンはその操作方法は限定されません。たとえばスマホでも操縦できますし、GPSなどを利用して自動飛行させることも可能です。この点からいうと、ドローンとラジコンヘリには大きな違いがあると言えます。
5.ドローンとマリリン・モンロー
ドローンが元々は軍事技術だったことは上述の通りです。当時は「ターゲット・ドローン」と呼ばれ、飛んでいる飛行機を撃ち落とすための訓練用に開発されました。
そんなターゲットドローンの製造工場で働いていたのが、後の大女優「マリリン・モンロー」でした。彼女はプロペラを取り付ける作業員でした。そして彼女が19歳の時、そのドローン製造工場で働く人たちの写真が陸軍の広報紙に掲載されると「この綺麗な子は誰だ!」と、マリリン・モンローはスカウトの目にとまります。それからの軌跡は皆さんご存知の通りです。彼女は映画スターへの道を歩み始め、後に「永遠のセックスシンボル」と呼ばれるに至ります。
そうなんです。
もしドローンがなかったら、永遠のセックスシンボルは永遠に生まれなかったのです。
6.軍事技術「ドローン」は封印すべき?
確かに、ドローンは軍事用として開発され、今でも戦地で利用されたりしています。しかし、それは飛行機も同じです。飛行機もまた、軍事用と旅客機がありますが、だからと言って飛行機を批判する人はいません。
そもそも、私たちの身の回りには、当初は軍事目的で開発されたものが多くあります。例えばサランラップなどの「ラップフィルム」や「ティッシュペーパー」。
まず、「ラップフィルム」ですが、これは元々は第二次世界大戦中に弾薬や銃を湿気から守るために開発されたもので、兵士の靴の中敷きや、蚊帳の代わりとしても重宝されていました。 そして「ティッシュペーパー」はと言うと、時は第一次世界大戦、戦争により不足していた脱脂綿の代わりとして開発され(当時の呼称は「セルコットン」)、その後、その吸収力が評価され、兵士のガスマスク用フィルターとして利用されます。
あまり知られていませんが、軍事目的で開発され、私たちの生活に欠かせなくなった必需品は意外と多いのです。
ですから、ドローンの危険性ばかりを取り上げて、何か事件があればすぐ規制するような短絡的な行動にでず、将来享受しうる恩恵についてもしっかりと考えて、建設的な議論をするべきと思うのですがいかがでしょう。