平昌オリンピックだけじゃない!ドローンによるユニークなショー - DroneStock

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平昌オリンピックだけじゃない!ドローンによるユニークなショー


2018年2月9日の平昌冬季オリンピック開会式では、ドローンが夜空に舞いました。

氷点下3度・体感気温は氷点下10度前後の中、上半身裸で入場行進したトンガの選手や、突如現れた人面鳥、聖火台に上ったキム・ヨナなど、開会式は本当に様々な話題で盛り上がりましたが、LEDドローンショーも素晴しい演出でした。まさに幻想的で感動的でした。

しかし、ドローンを使ったショーは平昌冬季オリンピックが最初ではありません。世界にはいくつもの実績があります。もちろん日本にもあります。

そこで今回は、ドローンを用いたユニークなショーについてまとめてみました。
目次

  1. 平昌冬季オリンピック開会式
  2. 「第51回スーパーボウル」ハーフタイムショー
  3. 米ディズニーのショー「Starbright Holidays(キラ星の休日)」
  4. ハウステンボス25周年記念
  5. 空間情報化サービス「Sky Magic」
  6. ブラジルのユニークすぎるプロモーション
  7. まとめ

1.平昌冬季オリンピック開会式

2018年2月9日の平昌冬季オリンピックの開会式では、ギネス世界記録が更新されました。更新されたのは「最も多数のドローンを同時に飛ばす」記録で、更新したのは米Intelです。これまでの記録は、同社が2016年10月にドイツのクライリンで行った500台同時飛行でしたが、その2倍以上に相当する1218台のLEDドローン「Shooting Star」で五輪マークを形成。見事オリンピック開催日に成功させました。

Shooting StarはIntel社のドローンで、重さ330グラム、ローターの直径が15センチの小型クアッドコプターです。本体にはネジが使用されておらず、ドライバーなしで15分以内に組み立てられるよう設計されています(この組立を、Intelはドイツの工場で行っています)。そして、ドローンの下部には組み合わせ次第で40億通り以上の光の表現が可能なLEDが装着されていて、このLEDが夜空に絵を描きます。

どれほど動きが複雑か、ということで話は変わりますが、ライトショーのプログラムには基本的に専用のアルゴリズムを使用。制御ソフトウェアが全てのドローンを飛行前にをチェックして、GPSの受信状態やバッテリーの持続時間など、様々な要因に基づいてベストな配置を決定します。ちなみに、衝突を防ぐセンサーは搭載されていません。プログラムされたソフトウェアのみがドローン同士の衝突を防いでいて、そのドローンを制御するのはたった一人のパイロット、と言うから驚きです。

2.「第51回スーパーボウル」ハーフタイムショー

2017年2月5日、テキサス州ヒューストンにて開催されたアメリカンフットボールリーグ「NFL」の優勝決定戦「スーパーボウル」。そのハーフタイムショーは例年ビッグネームがノーギャラにて出演するのが慣例ですが、2017年はレディ・ガガが登場。ド派手な衣装やステージ、めくるめく照明や会場を埋め尽くすライトなどが用いられ、迫力満点のショーが繰り広げられました。

登場は、NRGスタジアムの上空。ガガは星空を背景に、アメリカの愛国歌「God Bless America」と「This Land is Your Land」を熱唱します。しかし、そんなガガの背後では、星だと思っていたものが突如、赤や青に光り始め、やがてそれらがアメリカの国旗・星条旗を象ります。

そうです。その光こそ、ドローンに搭載されたLEDライト、300台のShooting Starです。

そして、赤・青・白の3色の光で星条旗が再現されると、ガガはスタジアムの屋上から飛び降りるのですが……この演出は事前に撮影されたものでした。

なぜ当日の演出とはならなかったのか。

理由は、米連邦航空局(FAA)のドローンに関する規制に加え、スーパーボウルの試合当日はスタジアムから半径34.5マイル(約55.5km)圏内でのドローンの飛行が禁止されているからです。そのため、Intelとレディ・ガガは事前に撮影したのですが、それでもこのときのShooting Star300台を高度700フィート(約213m)まで上昇させるために、IntelはFAAから特別許可を取得したそうです。

3.米ディズニーのショー「Starbright Holidays(キラ星の休日)」

Shooting Starが最初にアメリカで披露したLEDドローンショーは、2017年のスーパーボウルのハーフタイムショーではありません。その一年前の2016年11月20日、フロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドリゾート内ワールドスプリングス(旧ダウンタウンディズニー)が最初です。

インテルとディズニーは、5ヶ月以上にわたりこのLEDドローンショープログラム「星が輝く休日」を準備。その成果もあって、当日は300台のドローンが互いに150㎝以内の近距離を飛行し、空のカンバスに光のインクを描くような新しいエンターテイメントを創造しました。

4.ハウステンボス25周年記念

Intelのドローン・Shooting Starが初めて日本の夜空を舞ったのは、2017年7月22日です。場所は長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」。約8分間にわたり、平原綾香の名曲「Jupiter」などに乗せて300機のドローンが輝きました。

Intelは日本に上陸するまでに、オーストラリア、ドイツ、オーストリア、メキシコ、シンガポール、アメリカでドローンのショーを開催。すでに1億3千万人以上を魅了してきましたが、日本でもその近未来ドローン・エンターテインメントは大盛況となりました。

ハウステンボスの富田CTOと言えば、自らを「ドローンの神」と称したり、実際にDJIのドローンを日本で初めて操縦した人物として有名です。そんな彼は、「空に3Dの絵を描き、音楽と一緒に舞うドローン」を夢見ますが、自社開発には莫大な額の先行投資と開発期間を要することが判明し、一度はその夢を断念した経緯があります。ですから、Intel上層部がShooting Starによるドローンショーを「なぜ日本でするのか」、さらには「なぜハウステンボスなのか」について相当ハードな話し合いが繰り返されたにもかかわらず、けっしてめげることなくIntelに働きかけたそうです。

ちなみに、結果的には、ハウステンボスが海と隣接した広大な私有地を保有していることが、Shooting Starによるドローンショーの実現に有利に働いたとのことです。

演出はハウステンボスと子会社のhapi-roboが行ない、プログラミングはIntelが行ったこの光のドローンショー。アメリカでは、こうしたドローンショーは「夜空のキャンパスに光の絵の具で描くエンターテイメント」と表現されましたが、日本では「デジタル花火」と多くのメディアが比喩。

デジタル花火、です。

この少ない文字数で言い表すその感覚、私はとても好きなのですが……皆さんはいかがですか?

5.空間情報化サービス「Sky Magic」

日本生まれのドローンショーも存在します。「Sky Magic」です。提供は日本のインターネット広告会社・マイクロアド社。発表されたのは、2016年4月20日。

このタイミングでは、すでにインテルがドローンを用いた同様のパフォーマンスを実施していましたが、パッケージ化されたサービスとしては世界初となるものでした。

ただ、その発表会での映像は圧巻でした。まさに最新テクノロジーと伝統芸能の共演。暗闇にかすかに浮かぶ雄大な日本の風景美「富士山」を背景に、25台のドローンがLEDを変化させながら、日本の伝統楽器「津軽三味線」に合わせて一糸乱れぬ舞を披露しました。

日本ならではの幻想的映像には、多くの日本男児・大和撫子が感動しました。

なお、同企画のクリエイティブディレクターは高城剛。沢尻エリカの元夫です。

6.ブラジルのユニークすぎるプロモーション

2015年。ブラジルではドローンを使ったユニークすぎるプロモーションが話題になりました。実施したのは、ブラジルでは有名なアパレルブランド「Camisaria Colombo」。そして、その手法は、Camisaria Colomboが提供している服と値札を纏った首なしのマネキンが、ドローンにぶら下がってサンパウロの商業地域を飛び回る……というものです。

「オフィスを出る暇もない、忙しいビジネスマン向けに展開した宣伝手法」とのことですが、さながらB級ホラー映画の様相です。

おそらく日本では許されるキャンペーンではないでしょうが、そもそもこの発想は日本人にはありません。そして、いずれにせよこのプロモーションは、世界的にインパクト大でした。きっと何年経っても、世界で最も衝撃的な、ドローンを使ったユニークな宣伝方法の一つとして世界の記憶に残り続けることでしょう。

7.まとめ

1964年10月10日。東京オリンピックの開会式では、国立競技場の上空に飛行機雲で描かれた五輪マークが世界を驚かせました。あの時の曲技飛行チームは「ブルーインパルス(青い衝撃)」と呼ばれ、メンバーは松下治英を筆頭に、淡野徹、西村克重、船橋契夫、藤縄忠と、予備機の城丸忠義を加えた6人でした。

最大の技術的ハードルは、五輪を精確に描くための五機の位置取りでした。五機がそれぞれ一定の間隔で、互い違いのポジションを得る角度と距離感は何度挑戦してもうまくいかず、結局本番で初めて成功したと言われています。

それからおよそ半世紀。今では五輪マークを描くのは、1200台のドローンです。しかも、それをたった一人のパイロットが制御して、光で夜空に描くようになりました。テクノロジーの進歩には驚くばかりです。

2020年には再び東京でオリンピックが開催されます。きっとドローンは何かしらの演出で使われることでしょう。

もう一度、世界に驚きを。

日本のドローン技術から目が離せません。